死刑求刑に呆れ笑い、“闇の勢力”訴えも 尹錫悦の最終陳述「近現代史で最も短い戒厳令を“内乱”に仕立て上げた」

2026年01月14日 政治 #時事ジャーナル
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大韓民国の憲政史上2人目に大統領職から罷免された尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領が、2024年12月3日の非常戒厳騒動に関する内乱首謀容疑を否認し、「共に民主党」と捜査機関によって「内乱に仕立て上げられた」という旨の主張を行った。

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尹前大統領は「近現代史で最も短い戒厳令なのに、これを内乱に仕立て上げ、韓国国内のすべての捜査機関が殺到して捜査した」とし、「内乱を目的とした捜査ではなく、捏造と歪曲を行った」と述べた。

尹前大統領は1月14日、ソウル中央地裁・刑事合議25部(チ・グィヨン部長判事)の審理で行われた自身の内乱首謀容疑に関する論告求刑公判で、このように最終陳述を行った。

尹前大統領はこの日、午前0時10分ごろから始まった最終陳述で「国家非常事態を知らせるための非常戒厳だった」とし、2024年12月3日夜に宣布した非常戒厳の適法性を主張。「2時間で終わる内乱がどこにあるのか」と述べた。

尹前大統領は「私も過去26年間、捜査と公判を担当してきたが、このように指揮体系もなく、てんでんばらばらに複数の機関が狂ったように駆けつけて捜査するのは初めて見た」とし、「この国を長年支配してきた闇の勢力と、絶対多数の議席を持つ共に民主党の笛の音に盲目的に走り寄って噛みつくオオカミの群れのようだという思いがする」と述べた。

「共に民主党」に対する尹大統領の批判は止まらなかった。「反国家勢力、体制転覆勢力、外部主権侵奪勢力と連携し、(尹錫悦政権の下で)巨大野党である共に民主党が虚偽の扇動で世論を操作した」とし、「国民と政府の間を離間させ、反憲法的な国会独裁を行い、憲政を崩壊させ、国政を麻痺させ、国が亡国の危機に陥るようにした」と主張した。

非常戒厳騒動に関連する特検局面については、「粛清と弾圧に象徴される狂乱の剣舞だ」と表現。一方で「その中でも法と原則に基づき、中心を保って裁判を導いてくれた裁判所の労に敬意を表する」と述べた。

内乱事件を捜査した特検チームの公訴状についても、尹前大統領は問題を提起した。「公訴状は妄想と小説であり、内乱を目的として捏造・歪曲されたものだ」というのだ。

続けて「私は大韓民国の独立と国家の継続性、憲法の擁護という重大な責務を果たす大統領として、国家非常事態を主権者である国民に知らせ、これを克服するために立ち上がってほしいと訴えるため、非常戒厳を宣布した」と強調した。

尹錫悦前大統領
尹錫悦前大統領(写真=共同取材団)

尹前大統領は昨年の憲法裁判所の弾劾審判でも、△「共に民主党」による尹政権の国務委員らに対する相次ぐ弾劾およびそれによる行政機能の麻痺、△「共に民主党」による主要予算の削減、△不正選挙疑惑に関連した中央選挙管理委員会サーバーの点検などを、非常戒厳宣布の背景として説明していた。

非常戒厳が国会や選管委などの憲法機関を麻痺させる目的の暴動、すなわち内乱を起こす目的ではなく、「警告性戒厳」だったとも繰り返し主張してきた。

しかし、内乱事件を捜査したチョ・ウンソク特検チームは13日午後9時35分、尹前大統領に死刑を言い渡すよう裁判所に求めた。死刑を求刑された瞬間、尹前大統領は呆れたような笑みを見せ、傍聴席からは尹前大統領の支持者とみられる人物から怒号が飛んだ。

韓国刑法上の内乱罪(第87条)は、大韓民国の領土の全部または一部において国家権力を排除したり、国憲を乱す目的で暴動を起こした者に適用される。内乱首謀の容疑を受ける場合、死刑、無期懲役または無期禁錮に処される。

内乱の謀議に参加したり、指揮するなど重要な任務に従事した者は、死刑、無期または5年以上の懲役もしくは禁錮に処され得る。

パク・オクス特検補は「悲劇的な歴史が繰り返されないよう、(内乱容疑で裁判を受けた)全斗煥(チョン・ドゥファン)、盧泰愚(ノ・テウ)に対する断罪よりも、さらに厳正な断罪が必要だ」とし、「情状酌量による減軽事由がまったくない被告人に無期刑を求刑することが果たして量刑原則に合致するのか、慎重な検討が必要だ」と述べた。また「法定刑の中で最低刑は妥当でないため、死刑を求刑する」と説明した。全斗煥、盧泰愚両元大統領は1997年4月、大法院全員合議体でそれぞれ無期懲役と懲役17年が確定している。

特検チームはまた、内乱の重要任務従事容疑を受けるキム・ヨンヒョン前国防部長官に対して無期懲役を求刑した。チョ・ジホ前警察庁長に対しては懲役20年を言い渡すよう求めた。

非常戒厳当日、安家(秘密施設)で尹前大統領、キム前長官と会い、国会統制などの計画を伝えられ、国会を封鎖した容疑を受けるキム・ボンシク前ソウル警察庁長の場合は懲役15年が求刑された。特検はモク・ヒョンテ前ソウル警察庁国会警備隊長に懲役12年、ユン・スンヨン前警察庁国家捜査本部捜査企画調整官に懲役10年をそれぞれ求刑した。

ソウル中央地裁417号法廷で開かれた今回の論告求刑公判は、9日に続き13日午前から進められた。

法廷では書証調べに続き、内乱事態を捜査した特検チームの最終意見と求刑、尹前大統領ら被告人の最終陳述などの手続きが行われた。

尹前大統領側の書証調べが長引いたため、13日の裁判もやはり、日付をまたいで終了することになった。

(記事提供=時事ジャーナル)

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