国会議員の平均資産額は日本の約5倍…韓国の政治家はなぜ儲かる?

2016年02月26日 政治
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韓国経済は伸び悩んでいるが、どうも国会議員の懐具合だけは状況が違うようだ。というのも、国会議員の資産は2012年から2013年にかけて増加しているからだ。

韓国国会・公職者倫理委員会が公開した「国会議員の資産変動申告の内訳」によると、国会議員296人中71.6%にあたる212人の資産が1年前よりも増加したという。

その増加額がすごい。

詳しく見ると、1億~5億ウォン(約1000~5000万円)が99人(全体の33.4%)で最も多く、5000万ウォン(約500万円)未満が54人(18.2%)、5000万~1億ウォンが52人(17.6%)、5億ウォン以上が7人(2.4%)となっている。

公職者倫理委員会は、資産増加の要因を、不動産と株式評価価格の上昇、給与貯蓄の増加と分析した。しかし、その分析は、あまりに表面的ではないかとの意見もある。

それは、2014年2月に国会で通過した特別監察官任命などに関する法律などを見てもわかる。特別監察対象から、国会議員は除外されているのだ。

なぜ韓国の国会議員は儲かるのか

ある韓国メディアは、以下のように厳しく指摘している。

「韓国で国会議員は特権層だ。様々な特典は語るまでもなく、権力も享受している。それでも彼らを牽制する組織や機構は事実上ない。最高検察庁中央捜査部がなくなり、現職の議員を相手にした捜査も途絶えた。すべての国会議員が清廉だからではない。邪魔な装置をすべて除去したからだ」

国会議員の平均資産額を日韓で比べてみると、日本は3770万円(参院議員)なのに対して、韓国は18億6800万ウォン(約1億8600万円)。約5倍も韓国が多いのだ。韓国メディアが鼻息を荒くするのもわからなくはない。

ちなみに、安倍晋三首相の公開された資産は1億528万円。対する朴槿恵大統領の資産は、国会・公職者倫理委員会によると21億ウォン(約2億1000万円)だ。

朴大統領の資産の大部分は不動産。それ以外に乗用車2台6289万ウォン(約630万円)、預金7815万ウォン(約780万円)となっている。ただこれらの金額は、あくまで“公表”されたものに過ぎず、朴大統領一族には、弟のパク・チマンEG会長などをはじめとする企業家も多いことから、一族の総財産を4兆ウォン(約400億円)台と見なす分析もある。
 
いずれにせよ、韓国経済が停滞するなかで、政治家の資産だけが増加するという違和感。しかしその“違和感”を解消できないところに、真の問題点があるといえそうだ。

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