近年、最低賃金を急激に引き上げてきた韓国では、自営業者ら小商工人がその負担に苦しんでいる。
小商工人の10人中9人近くが2022年に最低賃金が引き上げられた場合、支払いが難しいとの立場であることがわかった。
韓国の小商工人連合会が7月7日、「2022年度最低賃金関連、小商工人緊急実態調査」の結果を発表した。今回の調査は7月2~5日に、小売業、宿泊飲食店業、その他サービス業などの小商工人1026人を対象にオンラインで行われた。
それによると、今年の月間平均純収益は「50万ウォン(約5万円)以上200万ウォン(約20万円)未満」が42.5%で最も多く、「200万ウォン以上350万ウォン(約35万円)未満」(26.0%)が続いた。
小商工人連合会は、これは小商工人の大部分が生計費すら十分に得られていない状況ということを表していると指摘した。
また事業場の資産のうち、ローン・負債が占める割合は、「30%以上50%未満」が25.6%、次いで「50%以上70%未満」が25.3%となった。ローン・負債の規模は「1億ウォン(約1000万円)以上」が32.5%と最も多く、「2000万ウォン(約200万円)以上4000万ウォン(約400万円)未満」(15.6%)、「4000万ウォン以上6000万ウォン(約600万円)未満」(14.8%)の順だった。
そんな現状があるため、最低賃金の引き上げに対して否定的だ。
韓国の最低賃金(時給)は、2016年6030ウォン(約603円)から2017年6470ウォン(約647円)、2018年7530ウォン(約753円)、2019年8350ウォン(約835円)、2020年8590ウォン(約859円)、2021年8720ウォン(約872円)と引き上げられてきた。
最低賃金委員会・勤労者委員たちの要求案である2022年度の“最低賃金1万800ウォン(約1080円)案”については、回答者の91.9%が負担を感じている。「とても負担を感じる」が79.4%に上り、「どちらかといえば負担を感じる」が12.5%だった。
また来年、最低賃金が引き上げられた場合、支払い能力があるかという質問には、87.2%が「支払いが難しい」と回答した。
小商工人連合会のチャ・ナムス政策広報本部長は、「小商工人たちの賃金支給能力が限界に達した状況」とし、「2022年度の最低賃金の決定は、雇用、費用負担、復元の観点で最小限凍結されなければならないということが、小商工人たちの大半の意見であることがわかった」と強調した。
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