「王の帰還」サムスン、第4四半期営業利益で過去最高 “半導体好況”追い風に史上初の2兆円超え

2026年01月08日 経済 #時事ジャーナル
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韓国のサムスン電子が「メモリ最強者」としての姿を取り戻した。半導体好況を追い風に、2025年第4四半期に営業利益20兆ウォン(約2兆1585億2000万円)という過去最大の実績を達成した。韓国企業が四半期営業利益20兆ウォンを記録したのは史上初であり、今年の見通しはさらに明るい。

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証券業界では、高帯域幅メモリ(HBM)の出荷量急増により、今年の営業利益が120兆ウォン(約12兆9511億2000万円)を突破すると見ている。

目標株価も相次いで引き上げられている。特に、グローバル投資銀行のマッコーリーは、韓国国内の証券会社が提示した目標株価の最高値である18万ウォン(約1万9400円)を大きく上回る24万ウォン(約2万5800円)へと引き上げるなど、追加の上昇余地は十分だとの見通しを示している。

サムスン電子は1月8日、連結ベースで2025年第4四半期の営業利益が20兆ウォンとなり、前年同期比208.17%増加したとする暫定の集計を公表した。前四半期(12兆1700億ウォン=約1兆3132億6226万円)と比べても64.3%増えた数値だ。

これにより、サムスン電子は2018年第3四半期に記録した過去最大の営業利益(17兆5700億ウォン=約1兆8959億7158万円)を7年ぶりに更新した。

イ・ジェヨン
サムスン電子のイ・ジェヨン会長(写真=時事ジャーナル)

第4四半期の売上高は、前年同期比22.7%増の93兆ウォン(約10兆363億1820万円)を記録した。売上高も四半期ベースで過去最高となり、四半期売上が90兆ウォン(約9兆7100億9100万円)台を超えたのは今回が初めてだ。

過去最大の四半期売上高と営業利益を記録したことで、年間実績も大幅に改善された。サムスン電子の昨年の年間総売上高は332兆7700億ウォン(約35兆9025億2202万円)で、2022年以降3年ぶりの最大値となった。年間累計営業利益は43兆5300億ウォン(約4兆6963億4722万円)で、歴代4番目に高い水準だ。

サムスン電子がこの日発表した昨年第4四半期の実績は、証券業界のコンセンサス(証券会社予想の平均)を大きく上回った。金融情報会社エフアンドガイドが前日に集計した実績コンセンサスは、売上高90兆6016億ウォン(約9兆7747億8918万円)、営業利益17兆8208億ウォン(約1兆9221億2475万円)だった。

業界では、実績改善の最大の功労者として、半導体事業を担当するDS部門が挙げられている。この日、部門別実績は公表されなかったが、証券業界ではDS部門の昨年第4四半期の営業利益を約16兆~17兆ウォン(約1兆7257億3600万円~約1兆8335億9450万円)と推計している。DS部門の2024年第4四半期の営業利益は3兆ウォン(約3236億10万円)に満たなかった。

DS部門の営業利益が前年に比べて約6倍近く急増した理由は、人工知能(AI)投資拡大競争に火がつき、汎用DRAMなどメモリ半導体価格が大きく上昇したためだ。

市場調査会社DRAMeXchangeによると、昨年12月のPC向けDRAM汎用製品(DDR4 8Gb)の平均固定取引価格は、前月比15%上昇した9.3ドルを記録した。1年前(1.35ドル)と比べると、約7倍近い上昇となる。HBMを中心に生産構造が再編され、需給が変化したことで価格急騰が起きたためだ。

市場では、DRAM価格の上昇がHBM価格にも影響を与えたと見ている。HBMはDRAMを積み重ねて作られるため、DRAM使用量が増えるほど収益性はさらに高まる。これに加え、昨年下半期からエヌビディアなど複数の顧客企業へのHBM3E製品供給が続き、実績改善に弾みがついたとの分析だ。

「メモリ価格の上昇傾向は2027年上半期まで」

市場の視線は、今年の年間営業利益が100兆ウォン(約10兆7865億8000万円)を突破するかどうかに集まっている。昨年の営業利益(43兆5300億ウォン)の2倍を超える数値だが、最近の市場需要を見ると十分に可能な目標だとの見方だ。

KB証券のキム・ドンウォン研究員は「今年のサムスン電子の営業利益は、DRAM価格の大幅な上昇とHBM出荷量の急増により、123兆ウォン(約13兆2686億8650万円)と推定される」とし、「今年上半期にはエヌビディア、グーグルのHBM4(第6世代)供給網へのサムスン電子の参入可能性拡大や、ASIC(特定用途向け半導体)メーカーのHBM3E注文量急増などにより、HBM売上高は前年比3倍増の26兆ウォン(約2兆8047億6300万円)になると見込まれる」と述べた。

HBMのシェアも大きく引き上げられる見通しだ。KB証券のカン・ダヒョン研究員は「今年のサムスン電子の営業利益は、DRAM価格上昇とHBM出荷増加により急増するだろう」とし、「HBMのシェアは昨年の16%から今年は35%へ拡大すると見ている」と説明した。

サムスン電子
(写真=時事ジャーナル)

相次ぐバラ色の見通しを受け、証券業界では目標株価を次々と引き上げている。

韓国国内の証券各社は、従来15万~16万ウォン(約1万6000円~約1万7000円)だった目標株価を、18万ウォン(約1万9000円)前後へと相次いで上方修正した。

こうした中、グローバル投資銀行のマッコーリーは、サムスン電子の目標株価を従来の17万5000ウォン(約1万8000円)から24万ウォンに引き上げた。前日、マッコーリーはサムスン電子を「メモリ王の帰還」と評し、主要推奨リストである「マルキー・バイ(Marquee Buy)」銘柄に新規採用した。

マッコーリーのダニエル・キム研究員は「メモリ不足が深刻化する中、すべての製品カテゴリーで価格下落への転換シグナルはまったく見られない」とし、「メモリ価格の上昇基調は2027年上半期まで続くだろう」と予測した。

この日、サムスン電子の株価は実績発表を追い風に、取引中に史上最高値となる14万4500ウォン(約1万5500円)を記録した。ただし、その後は利益確定売りが出て、午後12時30分現在、前日比100ウォン(0.07%)高の14万1100ウォン(約1万5000円)で取引されている。

(記事提供=時事ジャーナル)

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