アメリカ共和党の大統領候補であるドナルド・トランプ前大統領が10月15日(現地時間)、自身が大統領であれば韓国が在韓米軍駐留費用(防衛費分担金)として年間100億ドル(約1兆4900億円)を支払うだろうと述べた。
トランプ前大統領が提示した年間100億ドルは、韓国が2026年に支払う予定の9倍近い金額だ。
トランプ前大統領はこの日、シカゴでブルームバーグ通信のジョン・ミクルスウェイト編集長と行った対談で、「私があそこ(ホワイトハウス)にいれば、彼ら(韓国)は(在韓米軍駐留費用として)年間100億ドルを支払うことになるだろう」とし、「彼らは喜んでそうする。韓国はマネーマシーン(Money Machine)」と語った。
トランプ前大統領のこの発言は、彼が大統領選で勝利し再び政権を握った場合、在韓米軍の駐留費用分担金の再交渉を要求する可能性が高いことを示唆していると見られる。
これに先立ってアメリカと韓国は10月初めに防衛費分担金協定の文案を妥結し、2026年の防衛費分担金を前年より8.3%引き上げ、1兆5192億ウォン(約1662億円)とすることを決定した。また、毎年の分担金引き上げには消費者物価指数(CPI)の上昇率を反映させることも合意している。
トランプ前大統領は「私は韓国を愛しており、彼らは素晴らしい人々で、非常に野心的な人々だ」と述べ、「我々は彼らを北朝鮮から守っている」とも語った。また「北朝鮮は相当な核戦力を持っているが、私は彼ら、特に金正恩(北朝鮮国務委員長)とうまくやっていた」と強調した。
さらにトランプ前大統領は、2万8500人ほどの在韓米軍規模を繰り返し「4万人」として言及し、在韓米軍が危険な状況で勤務していることを強調した。
彼は「私は韓国に対して『申し訳ない。あなたたちは自国の軍に対する費用を支払わなければならない。我々の軍であらう4万人がそこにいる。あなたたちはその費用を負担するべきだ。あなたたちは非常に裕福な国になった』と話した」と述べた。
トランプ前大統領は韓国が費用を支払っていないかのような、事実を歪めた発言もした。彼は「彼らは『いやだ。我々は支払わない。我々は朝鮮戦争以来、費用を支払っていない』と言ったが、私は『いや、あなたたちは支払うべきだ』と話した」と語った。
実際には、韓国は北大西洋条約機構(NATO)の加盟国における防衛費ガイドラインである「国内総生産(GDP)の2%以上」に準じた水準として、GDPの2.5%を防衛費に充てており、在韓米軍の駐留費用も韓国とアメリカがほぼ同等の割合で負担している。
一方、トランプ前大統領は、北朝鮮が同日、京義線・東海線の南北連結道路の一部区間を爆破した事実にも触れ、「(国家間道路交通の側面で)韓国が今、ロシアや中国、その他の多くの場所と陸路での交通が途絶えたことを意味する」と発言した。
南北間での道路を通じた往来は元からないが、トランプ前大統領はあたかも韓国が陸路で中露と行き来していたかのように述べた。
またトランプ前大統領は、自身のソーシャルメディア(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に投稿した文で「北朝鮮が今、鉄道(実際には道路)を爆破した」とし、「これは悪いニュースだ」と述べた。さらに「それを解決できるのはトランプだけだ」と付け加えた。
(記事提供=時事ジャーナル)
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