韓国が起源を主張している文化に対して、中国が起源を主張するケースが増えている。今度は「扇の舞」と「石焼ビビンバ」がターゲットだ。
誠信(ソンシン)女子大学のソ・ギョンドク教授は最近、自身のSNSを通じて「中国のSNS上で『韓国が扇の舞を盗んだ』という虚偽の主張が無分別に拡散されている」と伝えた。
続けて「中国最大ポータルのバイドゥの百科事典には、韓国の扇の舞を『中国の民間伝統舞踊』と歪曲している」と指摘した。
他にも、今年初めに米NBAチーム「デンバー・ナゲッツ」の本拠地ボールアリーナで、「中国ダンス」と紹介されながら中国人が韓服を着て「扇の舞」を踊るパフォーマンスを行ったという例を挙げた。
そもそも韓国において「扇の舞」は、それほど深い歴史を持つものではない。1954年に舞踊家であるキム・ベクポン氏によって創作され、同年11月26日から28日にかけてソウルの市公館の舞台で初めて発表された。
その後、1968年のメキシコ五輪で群舞として披露され、韓国を代表する舞踊作品としての地位を確立。2014年にキム・ベクポン氏の故郷である平安南道で、無形文化財第3号に指定された。
中国側が起源を主張する根拠は「朝鮮族」にあるが、すでに韓国が建国している1950年代に創作された舞踊と朝鮮族にどんな関係があるのかというのが韓国側の反論だ。
類似の例として、「石焼ビビンバ」がある。
中国全域に1000店舗を持つチェーン店「MI BIBIMBAP」は、石焼ビビンバを提供しているのだが、それを「朝鮮族非物質文化遺産」と宣伝している。韓服を着て、石焼ビビンバを持っている女性の絵が描かれた看板を掲げた店舗もある。
こちらも中国においては「朝鮮族の文化=中国の文化」というわけだが、この石焼ビビンバも歴史が浅い。1960年代末に全州(チョンジュ)のビビンバ専門店で、「全州コプトルビビンバ」という名称で初めて開発されたメニューなのだ。
そのため韓国ではソ・ギョンドク教授に限らず、自国の文化を中国が盗もうとしていると危機感を覚えている。「あなたたちはコロナしか起源がない」「扇の舞は個人の創作物だろ。なぜ朝鮮族のものなのか」「ユネスコに登録されるジャン文化も自分たちのだというのだろう」「中国の万物起源説か」といった声が上がっている。
はたして韓国と中国の文化の起源をめぐる争いに終わりはあるのだろうか。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
■「なぜ他国のものを…日本は恥じるべき」自国の文化遺産10万点が日本に流出、韓国が主張
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