韓国・京畿道の坡州(パジュ)市議会が、「遊興施設での接待」「不正請託禁止法違反」「住居侵入」など4件の容疑で捜査を受けている「共に民主党」所属のA市議に対し、「自己免罪符」を与えようとしていることが明らかになり、波紋を呼んでいる。
A市議の不正疑惑が浮上したのは2024年10月だった。
しかし、坡州市議会の倫理特別委員会は、数カ月が経過した今年3月4日になってようやく諮問委員会に意見を求め、諮問委員会は翌日、「懲戒対象ではない」との審査結果を出した。
市民団体や公務員労働組合などがA市議を倫理特別委員会に付託するよう繰り返し要求してきたにもかかわらず、坡州市議会の倫理特別委は審査を引き延ばしたうえ、諮問委員会に意見を求めた翌日に拙速な結果を発表したわけだ。
諮問委員会がA市議を「懲戒対象ではない」と判断した理由は、「時効が経過している」というものだった。
しかし、A市議が出入りしていた遊興施設は不法滞在の外国人女性を雇用していた店であり、接待を受けたという疑惑もあるため、「品位を損なう行為」として倫理特別委の懲戒対象となる。にもかかわらず、恣意的な判断を下したといえる。
市民団体や公務員労組の声を無視した典型的な「かばい合い」との批判が出ている。
また、諮問委員会の構成メンバーも、市民団体や外部の推薦によるものではなく、一部の議員が推薦した内部関係者によって構成されていたことがわかった。これにより、A市議に対する倫理委員会での懲戒判断が不透明になるのではないかとの懸念も高まっている。
匿名を希望した坡州市職員は「該当の議員がルームサロンに出入りする様子が(CCTV映像に)はっきり映っているのに、反省どころか堂々としている」とし、「接待(の疑惑)を受けて何をしたのか、今回の件ですべて明らかにすべきだ」と憤った。
また、市民のナ氏(53歳)は「坡州市議会議員と諮問委員会が結託しているように見える」とし、「この議員の問題が発覚してから5カ月も経っているのに、今になって形ばかりの懲戒のフリをするのは見苦しい」と批判した。
坡州市議会倫理特別委は、A市議に関する諮問委員会の審査結果をもとに、3月11日と4月4日の2回にわたって会議を開催する予定だ。その後、4月7日の本会議でA市議に対する懲戒の可否が最終決定される見通しだ。
先立って『時事ジャーナル』は、「共に民主党」所属のA市議が外国人女性を接待要員として雇用する遊興施設を訪れていた様子が映ったCCTV映像を入手し、独自報道した。この報道が波紋を呼ぶと、A市議は遅れて酒代を支払ったとされている。
さらに、A市議は現在、「業務妨害」「名誉毀損」「住居侵入」「不正請託禁止法違反」など4件の容疑で警察の捜査を受けている。
坡州市議会の議員倫理綱領では、「地方議員は品位を保ち、公職者として職務に関連する不正な利益を図ったり、不当な影響力を行使したりせず、清廉で質素な生活を率先垂範する」と明記されている。
(記事提供=時事ジャーナル)
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