今も人気の高いK-POPアイドルは少なくないが、一時代を築いたガールズグループといえば「少女時代」だろう。
2014年9月のジェシカ脱退以降、8人で活動を続ける少女時代。ユナが俳優イ・スンギと、スヨンが俳優チョン・ギョンホと、ティファニーが2PMのニックンと、テヨンがEXOのベクヒョンと、ヒョヨンが作家キム・ジュニョンと、ユリが元阪神タイガースのオ・スンファンとの熱愛が発覚し、韓国メディアから“熱愛時代”と皮肉られたことも記憶に新しいかもしれない。
そんな少女時代の人気を利用した事件が2015年5月に起こっている。
ソウルの水西(スソ)警察署によると、かつて少女時代の専属スタイリストのアシスタントを務めていたA氏(26歳・女性)が、自分は少女時代の専属スタイリストであると名乗り、知人たちから高額の金を騙し取っていたというのだ。
その手口は手が込んでいる。
A氏はまず、友人や知人たちに、自分が少女時代のスタイリストであることをアピール。名刺には大手芸能プロダクションのロゴが入り、自身のSNSには少女時代のメンバーたちと撮った記念写真などを多数アップし、「少女時代のメンバーたちが番組出演やライブで着た衣装、バッグ類、アクセサリー類などを定価よりも安い価格で購入してあげる」と持ち掛けたという。
A氏が着目したのは、「協賛を受けた衣装を紛失した場合、定価の一部を賠償すればいい」という韓国のスタリスト業界の慣例。つまり、その業界慣例を悪用して、衣装を返却せずに紛失扱いにし、それを友人や知人たちに転売していたわけだ。
しかも、2014年7月には、芸能人に衣装などを仲介する会社も設立。ここを拠点に協賛メーカーから衣装やアクセサリーを仕入れ、友人や知人に販売していたというのだ。さらに衣類やアクセサリー類だけではなく、自分を介すれば自動車やアパートまで定価よりも安く購入できるとうそぶいていたらしく、その手法で2013年から2015年までで12人の友人・知人たちを騙し、総額4億ウォン(約4000万円)を騙し取った。
騙された被害者たちの訴えでA氏は2015年5月3日に立件されたが、一介のアシスタントにすぎない女性からその名を悪用されてしまうのだから、少女時代のメンバーたちからすれば寝耳に水だろう。
だが、少女時代の名が詐欺に悪用されるのは、実は今回が初めてではない。
2014年6月にも、少女時代の名を使って詐欺行為を働いた50代男性が警察当局に拘束されている。この50代男性は2013年5月に、知人3人に「少女時代がマレーシアでコンサートをする予定なので、投資をすれば収益の半分を渡す」と持ち掛け、計6億ウォン(約6000万円)を騙し取った。
実際には少女時代が当時マレーシアでコンサートする予定はなく、ウソだったことが判明。被害者が告訴し、この男性は詐欺容疑で立件されている。
その名を利用されるのは人気がある証拠ともいえるが、犯罪にまで悪用されてしまうのだから、少女時代にとっては迷惑極まりない話だろう。人気者であるがゆえんか。
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