錦織圭の活躍に羨望のまなざしを向ける韓国、“テニス後進国”の現状

2016年01月23日 K-POP
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今や世界的なテニスプレイヤーとして、すっかり定着した錦織圭。アジア人男子初のグランドスラム4大大会シングルスファイナリストであり、アジア人男子初のATPワールドツアー・ファイナル出場者ということで、韓国でも注目度は高い。

特に2015年の全仏オープンで日本男子として82年ぶりにベスト8進出を果たしたときの快進撃は、韓国でも大きく報じられている。

「錦織圭旋風、日本人82年ぶりに全仏オープン8強進出」(一般紙『国民日報』)、「日本のテニス選手・錦織圭の爆発的人気」(ネットニュース『news1』)、「全仏オープン、錦織、82年ぶりに日本人8強快挙」(通信社『聯合ニュース』)などなど。

韓国ネット民たちの反応もさまざまだ。

「錦織、たいしたものだ。昨年の全米オープン準優勝は、まぐれじゃなかったな」「まさに実写版『テニスの王子様』錦織、キミは最高だ!!」と絶賛する声もあれば、「ウワー、本当にスゴイ。日本人だけど認めなきゃいけない」「錦織、うまい!! ただうまいだけじゃない!! 正直、うらやましい」と、錦織を生んだ日本をうらやむ声もあった。

韓国は“テニス後進国”

ただ、韓国がうらやましがるのも当然だろう。

錦織はいまや世界ランキング4位にまで上り詰めたが、韓国男子のテニス最高成績は2007年全米オープンでシングルス16強まで進出したリ・ヒョンテクの世界ランク36位(2007年8月)が最高位。現役では、19歳で“韓国テニス界の有望株”とされるチョン・ヒョンの世界ランキング69位が最高だ。

かなりの開きがあり、日韓テニスの実力は雲泥の差なのだ。

その差は、錦織を引き合いに出すのもおこがましいほど。それゆえに、韓国国内で行われるATPツアーもひとつもない。他のスポーツに比べても、韓国は“テニス後進国”なのだ。

少し強引なのは、そんな実力差を認めつつ「いつか韓国テニス界にもポスト錦織の出現が期待できる」という声があること。

その期待を一身に背負うのが、前述したチョン・ヒョン。現在18歳の彼には、サムスン系列のサムスン証券がスポンサーについている。チョンも錦織について、「同じ東洋人選手がトップクラスで活躍していることは自信になる。僕と彼とでは、まだ刺激を受けたり、ライバル意識を感じるまでには実力差がありすぎるが、彼の活躍が自信を得る動機になっていることは事実」と語っている。

もっとも、チョン・ヒョン本人が認めている通り、錦織との実力差は大きい。チョン・ヒョンは2015年5月に行われたソウル・オープンで準優勝したものの、日本の添田豪(ランキング92位)に決勝で敗れているし、全仏オープンでは本選どころか予選1回戦で姿を消した。

韓国が錦織をうらやむ日々は、まだまだ続きそうだ。

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