大河ドラマにラブコメまで?どんな日本のテレビ番組が韓国で人気なのか【思い出インタビュー】

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「たしかに。ただ、バラエティ番組の場合、実際に今も両国には似たような番組が少なからず存在していて、例えば『一食ください(原題)』(JTBC)と、チャンネルWでも放送中の『家、ついて行ってもイイですか』(テレビ東京)は芸能人が素人の家を訪問するという大まかなコンセプトが同じです。

ただ、『一食ください』はユーモア重視で軽い展開が多い一方、『家、ついて行ってもイイですか』は深い会話を通じて人間性や感動を引き出すところが印象的でした。

このように、日本のコンテンツを通じて韓国と似て異なる意外な部分を発見できるのが、魅力のひとつだと思っております。『孤独のグルメ』の韓国出張編などは、そういった両国の良さが表現されたのではないかと思います

―その魅力を韓国の方々に伝える役割をチャンネルWが担っていると思いますが、チャンネルWが目指しているものは何ですか?

「実は、韓国で日本のドラマを放映するチャンネルは2つあります。我々『チャンネルW』と、『チャンネルJ』です。

正直に言えば、チャンネルJのほうが先に開局したため知名度の面では上ですが、Jは韓国の放送通信委員会に登録されているジャンルが“ドラマ”で、韓国と日本のコンテンツを混用して編成しているんでね。

一方の我々Wは韓国で唯一“日本文化”で登録されているうえに、『今日の日本』など自主制作番組を通じて日本文化やイベントの情報も提供するなど、韓国で日本関連コンテンツをもっとも多くサービスしていると自負しています。

韓国で“日本文化”といえば、少数のオタクが享受するマイナー文化というイメージがいまだに残っているのですが、今はより多くの大衆に日本のコンテンツを見ていただくことが大事です。

そこで、インターネット上の違法ファイルを探さなくても、チャンネルWを通じて日本の番組を見られる環境がやっと整ったところなんです。

実際に、“チャンネルを回すうちに偶然日本のドラマを見たけど面白かった”という感想も寄せられているんですよ。今後も、より多くの韓国視聴者たちが日本のコンテンツや文化に触れられるよう、サポート役として頑張りたいと思っております」

―少しセンシティブな話になりますが、歴史・政治的な問題と切り離せないのが韓国と日本だと思います。その点において、何か思うところはありますか。

「それこそ、歴史や政治的問題によって遠く離れた両国の距離を、文化を通じて縮めようという理念のもとに設立されたのが、我々チャンネルWです。

日本文化を韓国に伝える窓口として、初めは受け入れやすいドラマやバラエティ番組を、いずれ韓国に進出した日本企業や日本の文化を紹介するための活動を紹介し、好感を持ってもらえる環境作りに尽力しています。

どの国も自国に有利な方向に世論を形成する傾向があると思いますが、チャンネルWではニュートラルな立場に立って事実のみを伝え、視聴者側に解釈をお任せしています。今すぐにとは思いませんが、徐々にお互いの溝が埋められると信じています」

―最後に、チャンネルWのビジョンを教えてください。

「今後は、より大きな規模の日韓共同企画番組を制作したいと強く思っていますので、日本のテレビ関係者の皆さん、ご連絡お待ちしております(笑)。

また、最近は1つの作品に対して原作はもちろん実写ドラマや映画化のようにマルチな展開が行われますが、それらもすべて楽しんでもらえるよう、まずは出版社との業務提携も始めました。

韓国における日本コンテンツの中心部であり、韓国最大の日本コンテンツ専門チャンネルとして、ずっとご愛顧いただければ幸いです」

(文=慎 武宏)

*この原稿はヤフーニュース個人に掲載した記事を加筆・修正したものです。

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