韓国視聴者たちの反応や好みの傾向を知るためにも、興味があった。そこで2018年にチャンネルW本社を訪れた際に、経営総括理事(当時)だったキム・ヒョンジュン氏に、その疑問をぶつけてみた。そのときのやり取りをここに再現したい。
―これまで数多くの作品を放映されてきたと思うのですが、韓国ではどのようなジャンルが好まれていますか。
「ラブコメディが強いです。日本で大ヒットした『逃げるは恥だが役に立つ』は、韓国でも大好評でした。その次に『ドクターX』や『コード・ブルー』といった医療ドラマそして『孤独のグルメ』『深夜食堂』のようなグルメドラマが定番の人気です。また、『忠臣蔵の恋~四十八人目の忠臣~』のような時代劇や、大河ドラマも人気ですよ」
―時代劇が人気なのはちょっと意外ですね。チェ理事が思う日本コンテンツの魅力はなんでしょうか。
「個人的な話になりますが、私が初めて触れた日本のコンテンツは1997年に大学映画祭で観た、岩井俊二監督の映画『ラブレター』でした。今思えば、完全な著作権法侵害でしたが(笑)。とにかく、映画のセンチメンタルな雰囲気に魅了されつつも、韓国と日本の似たようで違う文化が伺えて新鮮でした。
―最近は日本ドラマが韓国でリメイクされることも多くなりました。そうした流れについてはどんな感想をお持ちですか?
「韓国では昔、テレビ局のプロデューサーになったらとりあえず日本に行かされせたと先輩に聞いたことがあります。日本のテレビ番組からインスピレーションを感じたり、ヒントを得ようという動きですね。昔ほどではないですが、今もそういった試みは続ていると思います」
―ただ、日韓のコンテンツ交流が進む中で、どうしても論争が起きてしまうのが“パクリ疑惑”です。2018年も『逃げるが恥だが役に立つ』に似ているとして『この人生は初めてなので』が論争を呼びました。