韓国で『進撃の巨人』やJ-POPが再ブレイク!! Jコンテンツ復活の「隠された秘訣」

2025年04月07日 話題 #時事ジャーナル
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今度は『進撃の巨人』か。映画として公開された『劇場版 進撃の巨人 完結編 The Final Attack』(以下『進撃の巨人』)が、韓国で観客動員数50万人を突破した。2023年の『THE FIRST SLAM DUNK』シンドロームと、近年のJ-POPブームの流れに乗り、日韓間のコンテンツ協業も増えている今、Jコンテンツの「進撃」は何を物語っているのだろうか。

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昨年、韓国の大手シネコン・メガボックスで単独上映された押山清高監督のアニメーション映画『ルックバック』は、観客動員数30万人を突破する底力を見せた。57分の中編であるうえ、他のシネコンでは放映されず、メガボックスでのみ上映されたことを考えると、30万人突破は異例の成功例と見なすことができる。

「ジャパニメーション」、J-POP、さらには協業まで…Jコンテンツの進撃

しかし「ジャパニメーション」ファンダムが韓国国内にしっかりと根付いているという事実は、この成功をただの奇跡や偶然で片づけてはならない。

この作品は『チェンソーマン』の作者である藤本タツキの短編漫画を原作としたアニメーションである。その内容もまた、漫画家がどのようにして誕生し成長するかを描いている。「ジャパニメーション」あるいは日本漫画を愛する韓国ファンにとっては、観るだけでも一種の「所有欲」を満たす作品となったに違いない。

この流れを新たに引き継いでいる作品がまさに『進撃の巨人』だ。メガボックス単独上映作であるこのアニメ映画は、すでに観客動員数55万人を突破し、昨年に『ルックバック』が打ち立てた単独上映作の興行記録を更新した。

『進撃の巨人』は言うまでもなく2009年から2021年まで実に11年間連載された漫画が原作である。TVシリーズとしても制作された『進撃の巨人』は、韓国でも放映され、早くから大きな話題を呼んだ。「進撃の○○」という流行語まで生まれたほどである。それだけ韓国国内でもファンダムがすでに形成されていた作品ということだ。

(写真提供=アニプラス)劇場版『進撃の巨人』完結編THE LAST ATTCK

OST人気に乗ったJ-POPブーム

この作品が再び話題となった背景にはOTT(インターネットを利用したコンテンツ配信サービス)の影響も小さくない。アニメ『進撃の巨人』はTVING、Netflix、Wavveで全編視聴可能であり、映画公開後に「復習」のように再視聴するファンも少なくない。このような話題性により、新たにファンになる人も増えたのだ。

もちろん全話数で90話をはるかに超える大作ではあるが、各話が約20分程度と短く、ショートフォームに慣れた現在の映像消費の傾向にもよく合っている。何よりも、一度観れば際限なく深堀りしたくなる膨大な世界観により、強い没入感を与える作品であり、それゆえにさらに多くの「伏線」でファンの心を刺激する作品でもある。

「ジャパニメーション」の人気はOSTの人気にもつながる。かつて『THE FIRST SLAM DUNK』が韓国で観客動員数490万人を記録しシンドロームを巻き起こしたとき、日本のロックバンド10-FEETが歌った主題歌『第ゼロ感』が人気を博した。

『進撃の巨人』の人気も、Linked Horizonの『紅蓮の弓矢』や『心臓を捧げよ!』といったOSTがけん引している。日本のアーティスト、ヒグチアイの『悪魔の子』のような楽曲も話題になっている。

コンテンツ日韓交流の熱気も高まる

このような流れは今や韓国内におけるJ-POPファンダムの裾野が広がる一般的な過程となっている。

アニメーション『【推しの子】』が韓国でヒットし、そのOSTを歌って話題となった日本のアーティストYOASOBIが代表的な例だ。独特な音色と卓越した歌唱力で『葬送のフリーレン』『呪術廻戦』など一連のアニメーションOSTを担当したYOASOBIは、韓国国内でも厚いファン層を得るに至った。

『君の名は。』『すずめの戸締まり』、そして『天気の子』など、新海誠監督のアニメーションOSTを歌って韓国のファンの注目を集めたRADWIMPSなども、OSTを通じてJ-POPブームを牽引する主役の一つである。

もちろん、米津玄師やあいみょんのようにOSTと無関係に有名なJ-POPアーティストも存在するが、「ジャパニメーション」は基本的に有名アーティストをOSTに参加させる点で、そのシナジーが明確に大きい。

韓国国内のJ-POPブームを確かに確認できるのは、最近彼らの来韓公演が急増しているという事実だろう。しかも、その熱気もまた熱い。

2024年末、インスパイア・アリーナで開催されたYOASOBIの公演チケットは1分で完売した。今年も米津玄師、あいみょん、優里の単独公演チケット確保が「空の星を取るほど難しい」と言われるほど、J-POPファンダムの強固さが表れている。

彼らは数年前までは韓国公演で数百人を集めるのも難しかったが、今ではオリンピック体操競技場、インスパイア・アリーナ、KINTEXなど大型公演会場を満員にするほどの人気を享受している。

もちろんKコンテンツの日本ブームも依然として進行形である。つまり、Jコンテンツの「進撃」は、いまや日韓の大衆文化交流が双方向で行われていることを示している。

時を1990年代末に戻してみよう。

当時は双方向の文化交流は「宣言的な意味」にとどまり、目に見える流れはほとんどなかった。1998年、金大中(キム・デジュン)政権が行った日本文化の開放措置は4段階に分けて段階的に行われ、2004年に全面開放に至った。

しかし韓国国内でのJコンテンツの消費は極めて微小であり、その大半が非公式な流れだった。

「日本色の文化」が流入するという懸念の声も多く上がったが、実際には日本文化開放措置はKコンテンツの体質を強化することに寄与した。

つまり、開放前までは韓国放送局による日本コンテンツの模倣が日常だった。大衆に根本的に遮断されていた日本コンテンツだったからこそ、模倣が公然と行われていたが、開放以降はそれが消えざるを得なかった。大衆が比較し始めたからだ。

結局、開放によってより高い競争力が求められるようになったKコンテンツは、あらゆる分野で創造的な選択をせざるを得ない結果を招いた。

2003年、『冬のソナタ』が日本を席巻し、2010年代には少女時代やKARAが日本でK-POPブームを主導し、急成長したKコンテンツが日本にファンダムを築いた。

その間、韓国にもJコンテンツのファンダムが生まれたが、その代表格が宮崎駿で象徴される「ジャパニメーション」だった。宮崎駿ブームは2021年に韓国で上映された『君の名は。』でヒットを収めた新海誠へと受け継がれ、『THE FIRST SLAM DUNK』から『進撃の巨人』へと繋がっているのである。

さらにNetflixのようなグローバルOTTは『【推しの子】』『銀魂』『葬送のフリーレン』『ハイキュー!!』など、多様な「ジャパニメーション」シリーズを提供し、韓国のファンたちがより多様なJコンテンツを日常的に消費できるようにした。

情緒的な違いから距離感があった日本ドラマも、多様性を求めるOTT加入者たちに人気を集めた。『逃げるは恥だが役に立つ』や『First Love 初恋』、といった連続ドラマや、『今夜、世界からこの恋が消えても』のような映画が代表的なJコンテンツだろう。

KコンテンツとJコンテンツの双方向的な成長と交流が進む中で、両国コンテンツの協業も増えている。昨年放送され、日韓両国で大きな人気を博した『I LOVE YOU』シリーズをはじめ、ソン・シギョンと『孤独のグルメ』で知られる松重豊が両国の料理を味わうコンセプトのバラエティ番組『隣の国のグルメイト』などが代表的な例である。

最近、CJ ENMは日本のTBSと共に、ドラマ、映画、そしてバラエティ番組に至るまで様々な協業を準備中であると明らかにした。KコンテンツやJコンテンツの「進撃」が一方向的ではなく、双方向的に展開され始めたことで生まれた重要な変化である。

もちろん、過去の歴史問題など外交的な事案がもたらす情緒的な距離感は依然として残っている。しかし、少なくともコンテンツの領域においては、協業が可能になった日韓文化交流の変化の兆しが感じられる一節である。

(記事提供=時事ジャーナル)

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