アジア、南米、ヨーロッパ、なぜBTSは世界各地で論争が絶えないのか

2021年11月25日 K-POP #アイドル
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韓国はもちろん、日本や欧米でも人気のボーイズグループBTS(防弾少年団)。その圧倒的な人気ゆえに、嫉妬や焼きもち、言われなき批判や疑いを受けることも多い。

今から2年前の2019年3月には、“ピョジョル疑惑”が持ち上がったこともあった。

ピョジョルを漢字にすると“剽窃”となる。「他人の作品を自分のものとして発表する」という意味で、平たくいえば盗作や模倣と同じ意味として韓国ではよく使われる言葉だが、BTSへの“ピョジョル疑惑”を訴えたのは、フランスの写真家ベルナール・フォコン氏だった。

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日本でも写真集を発表したことがあるベテラン写真家が、BTSが2016年に発表した写真集に収められたいくつかの写真と、アルバム『WINGS』に収められたタイトル曲『血、汗、涙』のミュージックビデオの一部が、自らの作品に似ているとしたことを、韓国の一般紙『ハンギョレ新聞』(2019年2月25日付け)が報じたのだ。

このニュースにはほかの韓国メディアも一斉に食いつき報道したが、BTSが所属するビッグヒット・エンターテインメントが黙ってはいなかった。

「フォコン氏が提議された類似性の主張について、該当の主張は成立しないという意見を伝えた」と真っ向から否定して一件落着した。

この例でもわかり通り、BTSにまつわる騒動は世界各地で絶えない。

例えば2018年5月、メキシコのテレビ番組内でBTSに対する差別発言が飛び交ったということでファンからは怒りの声が続出し、番組司会者の一人が謝罪のコメントを発表する騒動があった。

2018年11月には日本で“原爆Tシャツ”がきっかけで、『ミュージックステーション』出演が見送りになり、大きな波紋を呼んだ。

同じく2018年11月にはアメリカのユダヤ人団体『サイモン・ウィーゼンタール・センター』から謝罪を要求されている。

2019年になると、ロシア南部にある2つの映画館でBTSのコンサート映像の上映が中止に追い込まれた。

イスラム教グループがBTSメンバーを「男らしくない」うえに「同性愛者」と決めつけ、上映中止を訴えたことがきっかけだったという。

ギリシャではテレビ番組の女性司会者がBTSを侮辱するような行為があったとしてファンが激怒。女性司会者は自身のSNSを通じて「侮辱的だと感じた人たちに申し訳ない」と謝罪する事態があった。

差別騒動に政治問題、謝罪要求に侮辱行為とセンシティブな問題が次から次へと、それも中南米、北米、アジアにヨーロッパと世界各地で騒動が起きてるBTS。

裏返せば、それだけ彼らの知名度と活動がワールドワイドで、さまざまな騒動に巻き込まれるのもワールドスターの宿命ともいえなくもないが、世界のあちこちでこうも騒がしくなってくるとBTSのことが心配にもなってくる。

それらはBTSのネームバリューを利用したノイズ・マーケティングだとの見方もあるが、いずれにしてもBTSの存在感と影響力が大きくなればなるほど、それと比例してアンチややっかみが増えていき、重箱の隅をつつくような指摘や予期せぬ非難が次々と起こっているのも事実だ。

それだけにマネージメント・サイドも現実をしっかり受け止め、賢明かつ迅速な対応をすべきだろう。

文=慎 武宏

*この原稿はヤフーニュース個人に掲載した記事を加筆・修正したものです。

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