東方神起か、それともBTS(防弾少年団)か。“記録製造機”の世代交代の現実味

2018年08月30日 K-POP
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韓国はもちろん、日本をはじめ世界中で絶大な人気を集めるK-POPボーイズグループBTS(防弾少年団)。

8月24日にニューアルバム『LOVE YOURSELF 結 ‘Answer’』をリリースした彼らは、翌25日からは、ソウル公演を皮切りにワールドツアー「BTS WORLD TOUR 'LOVE YOURSELF'」をスタートしている。

今回のワールドツアーはアメリカ、カナダ、ヨーロッパなど11都市で23公演が行われ、約80万人を動員する予定。韓国でも大きな関心を集めているが、このワールドツアーで個人的に注目したいのは日本公演だ。

というのも、BTSは今回の日本公演で、自身初となるドームツアーを行うのだ。

かねてからBTSが目標に掲げてきた日本でのドームツアーが実現するわけだが、今回は11月13~14日の東京ドーム公演から始まり、京セラドーム大阪(11月21日、23~24日)、名古屋ドーム(2019年1月12~13日)、福岡ヤフオク!ドーム(同2月16~17日)と4会場で9公演を開催。観客総動員数は38万人を予定しているというからすごい。

東方神起が大成功させたドームツアー

ただ、K-POPボーイズグループがドームツアーを行うのは、BTSが初めてではない。

K-POPアーティストとして初めて4つ以上のドームでツアーを行ったのは、2013年に5大ドームツアーを成功させた東方神起だ(その後、BIGBANGが開催)。

東方神起

それゆえ韓国でも、東方神起が初めて開催したドームツアーを振り返りながら、BTSのドームツアー開催を報じるメディアは多い。

なかには、「ドームツアーは限られた人気アーティストだけが開催できる。それは東方神起を見れば一目瞭然だ」(『Newsen』)と、東方神起を引き合いに出してBTSの日本での人気を伝えるメディアもあるほどだ。

そもそもBTSと東方神起は、これまでも何かと比較されることが多かった。

CD売上に日本進出のルートも比較

例えば、日本でのCDの売上枚数だ。

BTSは2017年12月に日本で発売した6枚目のシングル『MIC Drop/DNA/Crystal Snow』が売上50万枚を突破。東方神起が2010年に発売した『BREAK OUT!』(2010年)の売上枚数28万9000枚を抜き、K-POPアーティスト最高記録を塗り替えた。

そのため当時は、「BTS、東方神起まで超えた…日本でダブル・プラチナ認定」(『FAM TIMES』)などと韓国で報じられていた。

また2004年の初来日以降、日本語を熱心に学び、日本のプロデューサーのもとで徹底的に“現地化”した東方神起と比較しながら、BTSの日本進出の過程が紹介されることもあった。

このようにBTSと東方神起が比較されることには、これまで両者が数多くの記録を樹立してきたことも関係しているだろう。

例えば、東方神起は2012~2014年の3年間だけでライブツアーに200万人以上のファンを動員した。これは海外アーティストとして史上最速のスピードだ。

また今年6月には、5大ドームツアー『東方神起 LIVE TOUR 2017~Begin Again~』の追加公演として、海外アーティストとして史上初となる日産スタジアム3デイズ公演も開催。ツアー全体の観客動員数も100万人を突破し、海外アーティストの単独ツアー史上最多を記録した。

かつては東方神起が“記録製造機”と称されたが…

一方のBTSも、2013年のデビュー以来、さまざまな記録を樹立してきた。

今年5月にリリースした『LOVE YOURSELF 轉 'Tear'』が、米国の週間アルバムチャート「ビルボード200」で韓国人アーティスト史上初めて1位を獲得したことも記憶に新しいだろう。今年はBTSメンバーへの“殺害脅迫”などショッキングな出来事もあったが、それもどこ吹く風である。

かつては東方神起が“記録製造機”と称されていたが、最近はBTSがそう呼ばれることが多くなっているほどだ。

これまで東方神起が打ち立ててきた数々の記録を、新たな“記録製造機”BTSが塗り替えていくのか。そこに韓国は注目しているわけだ。

そして、こうした流れのなかで、今回のBTSのドームツアーも東方神起と比較されているのだろう。

東方神起はこれまで2013年、2015年、そして昨年2017年に5大ドームツアーを行ってきた。3度の5大ドームツアー開催は、海外アーティストとしては史上最多の記録だ。

もちろん、ドームツアーの開催数がアーティストの価値や人気を決めるわけではないが、何かと両者が比較されてきたことを見る限り、今後はこの5大ドームツアー最多記録をBTSが塗り替えることができるかどうかにも、関心が集まることは間違いないだろう。

文=慎 武宏
 

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