韓国の犬食文化はどうなる?国際世論の風当たりのなか「犬食を法律で禁止」には反対が過半数

2021年05月14日 社会
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2021年7月17日は韓国で「初伏(チョボク)」の日となっている。

韓国には「ポクナル(伏日)」という日本でいうところの「土用の日」のようなものが3回あり、「初伏」はその最初の日。毎年7月11~19日頃で、その日から夏の暑さが本格化するとされている。

この初伏の日になると、韓国では古くから夏の暑さに負けないように、栄養価の高いものを食べる。日本で「土用の日」にウナギを食べるような伝統だ。

最も有名なのは、サムゲタン(参鶏湯)。ドジョウ鍋の一種であるチュオタンもポピュラーだが、食用の犬肉で作るポシンタン(補身湯)を食べる人もいる。

近年は国際世論の厳しい風当たりのなかで、その伝統はすっかり薄れているが、犬食文化は残っている。

ただ韓国国会では犬食を禁止する方案が発議されたこともある。2018年6月20日に発議された「動物保護法一部改正案」がそれで、犬を食用目的で屠殺(とさつ)することを禁止とした。さらに別の議員も、家畜から犬を除外した畜産法改正案を発議している。

とはいえ韓国の一般的な人々が犬食を嫌っているのかというと、そうではないという数字も出ている。

韓国の世論調査会社リアルメーターが2018年6月22日に調査したところによると、「犬食を法律で禁止すること」に対して、「反対する」が51.5%と過半数を占めたのだ。

逆に「賛成する」は39.7%だった。「犬を食べるかどうかは個々人が決めることで、法律で決められることではない」という意見もあり、半数以上の韓国人が犬食を法律で禁止することはないと考えているというわけだ。

ちなみに10年前の2008年には「犬食の合法化」に対する世論調査が行われており、このときも賛成53.2%、反対27.9%と、犬食に対するポジティブな結果が出ている。

いずれにしても、韓国ではいまだに賛否が分かれている犬食文化。“伝統”や“文化”という視点から禁止に反対する人もいれば、最近は「そもそも個人の自由」として禁止を反対する人も増えているそうだ。

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