韓国で11月は“キムジャン”シーズンだ。キムジャンとは、冬に備えてキムチを大量に漬けること。今年もソウル市のソウル広場、光化門などで、11月4日からキムチを漬けるイベント「キムジャン文化祭」が行われる。
そんな韓国では近年、特に若者たちの間でキムチ作りが流行しているという。
ネットショッピングサイト「Gマーケット」が昨年10月26日~11月1日にキムチ関連商品の販売量を調査したところによると、20~30代が購入した白菜が前年同期比13倍以上も急増したという。
白菜購入者の全年齢層の割合で見ても、20~30代が全体の50%に達したそうだ。
白菜以外のキムチ材料の購入量も大きく増えた。
塩151%、ニンニク134%、塩辛68%と、20~30代の購入量は軒並み上がっている。キムチを漬けるときに使うビニールの購入量も2倍以上増加しているというのだから驚く。
興味深いのは、既製品のキムチは20~30代よりも40~50代の購入が増えているという点。同じ調査結果を見ると、40~50代の白菜キムチの購買は前年比10%増加した。20~30代が20%も減少していることとは対照的だ。
40~50代は白菜キムチ以外でも、大根の葉のキムチ315%、カクテキ(大根キムチ)187%と、既製品のキムチを大量に購入していることがわかる。
「Gマーケット」のチーム長は、「ワーキングママ、一人世帯の増加などの理由でここ数年、キムチの既製品が売れていたが、“クッパン”の影響で近年は若い世代を中心にキムチ作りがトレンドになっているようだ」と話す。
“クッパン”とは、料理(Cook)と放送(パンソン)を合わせて作られた言葉。一口にいえば料理番組のことなのだが、最近は、美味しい作り方やレシピを紹介するだけでなく、バラエティ要素も加えた料理番組が高視聴率だという。
いずれにせよ、伝統文化を嫌うイメージのある若者の間で、キムチ作りが流行しているという韓国。今年も本格的な“キムジャン”シーズンを迎え、「さあキムチを作ろう!」と意気込んでいる若者たちの姿が見られることだろう。
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