韓国の釜山(プサン)・大邱(テグ)地域には、一つ面白い俗説がある。
「開店初日の百貨店で赤い下着を購入すると、富と幸運が訪れる」というものだ。
12月15日、東大邱複合乗り換えセンター内には「大邱 新世界百貨店」がオープンした。地上9階、地下7階、売り場面積約10万平方メートルの同店は、国内百貨店の中で「新世界百貨店 釜山センタムシティー」に続く2番目の規模を誇る。
10時30分の開店前から、百貨店の前には1000人以上が行列を作っていた。なかには「大邱で一番大きい百貨店を一刻も早く見たいから」と、朝3時から並んだ人も。
しかし、開店と同時に人々が百貨店の中に猛ダッシュした本当の理由は、“赤い下着の購入”だった。
新世界百貨店は、開店を記念して「レッドランジェリー・フェスティバル」を開催。約10社のランジェリーブランドが総計90億ウォン(9億円)分の赤い下着を販売するイベントで、会場内は男女問わず赤い下着を求める人ですし詰め状態になった。
このような現象は、韓国ではよく見られる。2011年にオープンした「現代百貨店 大邱店」では、開店初日に赤い下着だけで9億ウォン以上の売上を記録。2009年にオープンした「新世界百貨店 釜山センタムシティー」も、開店初日に10億ウォン以上の売上を上げているのだ。
韓国人が「赤い下着が富と幸運をもたらす」という俗説をここまで信じる理由は何か。
百貨店関係者によると、「昔、漁船の満船や安全な帰港を願って赤い旗を船首に掲げたことが由来だと言われている。その“赤”の象徴が下着へと変わっていき、港町を中心に広まった」らしい。
それが現在に至っては「百貨店開店初日=赤い下着購入」という風習になったわけだ。
とある市民は、「迷信だとわかってはいるけど、幸運が訪れるといいなと思って買いました」とコメント。最近の韓国は何かと問題が起きているだけに、“赤い下着”の効果はより切実なのかもしれない。
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