朴槿恵大統領も自覚せざるを得ない汚職と腐敗…韓国の「腐敗認識指数」がひどすぎるワケ

2016年01月17日 政治
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政治家や公務員の汚職など、その国の腐敗の度合いを比較した「腐敗認識指数」。国際NGOトランスペアレンシー・インターナショナルが2013年12月~2014年9月に調査した2015年の「腐敗認識指数」を発表している。

同団体の定義する腐敗とは、「与えられた権限を濫用して私的利益を得ること」。

各国の公務員や政治家などが賄賂をはじめとした不正行為に応じるかどうかを数値化したランキングといえるだろう。点数が100に近いほど「腐敗度が低い」ことを意味しており、“清廉な国”というわけだ。2015年の調査は168の国や地域が対象となっている。

腐敗度が低い国として第1位にランクインしたのは、91点のデンマーク。2位フィンランド(90点)、3位スウェーデン(89点)、4位ニュージーランド(88点)、5位オランダとノルウェー(87点)も清廉度が非常に高い国といえる。

日本は18位タイで、香港、アイルランドと同じく75点。日本より1つ上の16位がアメリカとオーストリア(76点)で、1つ下の21位はウルグアイ(74点)だ。日本の18位は北東アジア周辺国と比べると、いかに高いかがわかるはず。中国は83位、ロシアは119位、北朝鮮は167位と、北東アジアの国々はいずれも低評価になっている。

OECD加盟国としては下位の韓国

中国やロシア、北朝鮮に比べるとましだが、韓国も評価が低い。

韓国の腐敗認識指数は56点で、168カ国中37位(56点)。経済協力開発機構(OECD)加盟国34カ国で見ると、27位で下位グループという結果になった。

韓国で腐敗度が高いと指摘されている分野は、政党、議会、宗教団体。特に政治家の腐敗は、経済成長を停滞させている要因だという見方も少なくない。

実際に朴槿恵大統領は、自国の汚職・腐敗についてこう語ったことがある。

「韓国は法秩序と社会清廉度をOECDの平均値にさえ引き上げれば、経済成長率が1%ほど上がるという研究結果があるように、この課題が国家の未来を左右するという覚悟を持って改善に尽くすべきだ」

朴大統領が話した腐敗と経済成長の関係については、研究結果も出ている。

韓国最大の民間研究機関である現代経済研究院は、韓国がOECD加盟国の平均、つまり69.8点ほどの腐敗認識指数になれば、1人あたりのGDPが138.5ドル増え、年平均成長率も約0.65%上昇すると分析したことがある。

いずれにせよ、国家にとって一つも好影響をもたらさない政治家の汚職・腐敗は、一刻も早く改善されるべきだろう。

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