韓国の苦しい“現状”がうかがえる調査結果が出た。
「政治家」「高位公職者」「経済人」「法曹人」「言論人」「教育者」「宗教人」という7つの主要職業のなかで、最も信頼度の高い職業はどれかというアンケートだ。
韓国言論振興財団が19歳以上の5128人を対象にした調査で、3月16日に発表したところによると、「教育者」が最も信頼度が高いことがわかった。
教師や教授などが含まれる「教育者」の信頼度は平均3.06点(5点満点)。以下、「宗教人」2.77点、「言論人」2.70点、「法曹人」2.63点、「経済人」2.55点、「高位公職者」2.22点と続く。
最下位となったのは「政治家」で、1.89点と唯一の1点台だ。
政治家の信頼度が低いのは、昨今の政治スキャンダルだけが原因とはいえない。というのも、2006年の同調査でも政治家は1.83点と最も低いからだ。むしろ点数だけ見れば、最新の調査よりも低いことになる。
国際NGOトランスペアレンシー・インターナショナルが2013年12月~2014年9月に調査した2015年の「腐敗認識指数」を見ると、韓国は168カ国中37位。18位タイの日本に大きく離されているだけでなく、経済協力開発機構(OECD)加盟国で見ても下位グループという結果に終わっている。
韓国の国会議員は平均資産も高く、「国会議員は特権層だ」と指摘されるほど国民の信頼度は低い。
教師や教授など「教育者」の信頼度が高いのは頷けるが、日本と大きく違うのは2位にランクインした「宗教人」ではないだろうか。
牧師、神父、僧侶などが含まれる「宗教人」は、韓国の知人に聞くと「食事や生活において厳格なルールがあり、ストイックな印象」だという。だから信頼できそうな人が多いというイメージがあるという。韓国らしい部分かもしれない。
しかし韓国メディアを調べてみると、最近は一部の「宗教人」がハレンチな事件を起こしたという報道も散見する。2.77点という数字も、2006年の3.20点に比べるとかなり落としていることがわかるだろう。
また、政治家や高位公職者ほどではないが、企業CEOや財閥などが含まれる「経済人」の信頼度も全体の5位と低い。2010年の同調査では3.05点で首位だったが以降、2012年2.65点、2014年2.61点、そして今回2.55点と点数を下げている。
とある韓国メディアは「財閥に対する韓国国民の反感、一部大企業2~3世の横柄な行為による否定的な印象が作用したせい」と分析した。たしかに日本でも知られる大韓航空の“ナッツ姫”が起こした事件などは、韓国の財閥2~3世の本性が露呈した出来事といえるかもしれない。
彼女だけではなく、財閥2世たちが起こした不祥事は枚挙に暇がないほど。韓国の若者たちが皮肉で使う「スプーン階級論」で「金の匙」に属する彼らは、財産は持っていても信頼までは取り戻していないようだ。
政治家や経済人よりも、教育者や宗教人の信頼度が相対的に高い韓国。その国民性と、政治と経済で問題が山積している韓国の現状がありありと映し出された調査結果といえるのではないだろうか。
(文=サーチコリアニュース編集部)
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