新型コロナウイルスの感染拡大が世界中の自営業者を苦しめるなか、韓国でもその余波が統計に表れている。
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韓国政府の統計庁が1月17日に発表したところによると、国内における2021年の自営業者数は551万3000人だった。これは2020年の553万1000人と比較して1万8000人減少した数字だ。
ここにおける「自営業者数」とは、新規起業者と廃業者の合計人数を意味する。つまり、1年間で廃業者の数が新規起業者を上回ったのだ。
韓国ではコロナ禍以前から自営業者数が減少傾向にある。2017年の568万2000人をピークに、2018年(563万8000人)、2019年(560万6000人)と下がり、特には新型コロナの世界的流行が始まった2020年、前年比7万5000人減と大幅な減少を記録した。2021年も含めれば4年連続の減少だ。
要因には自営業者の主たる業種の低迷が挙げられる。特に昨年、卸・小売業の就業者数は15万人、飲食・宿泊業の就業者数は4万7000人も減少した。
また、興味深いのは従業員のいる自営業者が6万5000人減少した反面、従業員のいない自営業者、いわゆる“一人社長”が4万7000人も増加したことだ。
これは、新型コロナによる経営危機に伴い従業員を解雇して固定費用を減らしたり、無人端末機(キオスク)を導入する事例が増えたりしていることが要因とされている。景気が厳しい現状では「従業員を抱えるより一人で起業した方が良い」との見方もあるが、あくまで少数意見に過ぎない。
この統計庁の発表に、韓国メディアも「自営業者にとって悪夢のようだった2021年」(『明日新聞』)、「自営業者1.8万人減少…コロナショック持続」(『コンシューマータイムズ』)、「コロナ直撃弾に“従業員のいる自営業者”急減…“一人社長”だけ増えた」(『アジアトゥデイ』)といった見出しで自営業の苦境を伝えていた。
(文=サーチコリアニュース編集部)
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