尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する2回目の弾劾訴追案が国会本会議を通過し、尹大統領の権限はこれまでとは異なるものとなった。
12月14日、国会が尹大統領の弾劾案を可決したことで、国会法制司法委員長名義で憲法裁判所および大統領室に「国会弾劾訴追議決書」が送付される。この議決書が受理されると憲法裁判所は即座に弾劾審判を開始し、尹大統領は弾劾審判が終了するまで憲法で規定された大統領の権限を行使できなくなる。
何が変わり、何が変わらないのか。一問一答形式で解説する。
―尹大統領の職務が停止されるのはいつから?
弾劾案が可決された後、国会議長が憲法裁判所と大統領室に「国会弾劾訴追議決書」を送付する。大統領室がこの議決書を受領した瞬間から、尹大統領は憲法に定められた国家元首および行政部門の首長としての権限を行使できなくなる。
―職務停止される大統領の権限とは何か。
大統領が憲法上有する権限には、以下が含まれる。
・国軍統帥権
・条約締結・批准権
・恩赦・減刑・復権の権限
・法案拒否権
・国民投票付議権
・憲法改正案の発議・公布権
・法律改正案の公布権
・予算案の提出権
・外交使節の接受権
・行政立法権
・公務員の任免権
・憲法機関の任命権
つまり、尹大統領は公務員の任命、国務会議の主宰、各省庁からの報告受領や指示、政策現場の視察など、国政遂行に関する業務を行うことができない。これらの権限は、大統領権限代行者に移譲される。
―弾劾後も維持される大統領の待遇には何があるか。
ソウル漢南洞(ハンナムドン)の官邸での生活は、そのまま続けることができる。また、公用車や専用機の使用、警護などの大統領待遇もそのまま維持される。職務は停止されるが、大統領の身分は引き続き保持されるためだ。
給与も従来どおり支給されるが、一部の業務推進費に相当する給与は受け取ることができない。
―憲法裁判所で弾劾案が認められた場合、他に何が変わるのか。
憲法裁判所で大統領弾劾が確定した場合、尹大統領は「前職大統領待遇法」に基づく、ほとんどの恩恵を受けられなくなる。警護を除き、通常の退任時に受けられる年金、秘書官・運転手支援、無料診療、交通通信および事務所の提供などの待遇は剥奪される。
(記事提供=時事ジャーナル)
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