韓国・尹大統領、“逃亡説”が浮上…第三の場所に潜伏か、単なる噂が「有力な可能性」となっているワケ

2025年01月08日 政治 #時事ジャーナル
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内乱罪の被疑者である尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の2度目の逮捕状執行が目前に迫るなか、野党の一部で尹大統領の「逃亡説」が浮上した。

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尹大統領が大統領官邸を離れ、第三の場所へ逃避したというのだ。

実際に高位公職者犯罪捜査処(公捜処)と警察も、尹大統領の所在確認に注力していることが判明している。もし尹大統領の逃亡が事実と確認されれば、逮捕状執行のシナリオはさらに複雑化する見通しだ。

「第三の場所に潜伏との情報を受け取った」

尹大統領の「逃亡説」は、進歩派のYouTubeチャンネルやオンラインコミュニティを中心に最初に広まった。

これらのメディアは、①大統領官邸周辺ではカメラによる監視が不可能である点、②1回目の逮捕状執行時に尹大統領が姿を見せなかった点、③尹大統領の公用車が移動した状況などを挙げて、尹大統領が官邸にはいないと主張した。

尹錫悦大統領
(写真=尹錫悦大統領Facebook)

単なる噂だったこれらの主張が、1月7日を境に「有力な可能性」として語られるようになった。一部の「共に民主党」議員が、大統領警護処の核心関係者から尹大統領の逃亡を試みたことに関する具体的な情報を実際に受け取ったことが明らかになったからだ。

「共に民主党」のアン・ギュベク議員は1月8日にKBSラジオ『電撃時事』に出演し、「(尹大統領が)すでに龍山(ヨンサン)を離れ、第三の場所へ逃避したという情報を受け取った」と明かした。

アン議員は、「警察も所在確認を行っているという話を昨日聞いた。(尹大統領が)すでに(ソウル龍山区)漢南洞の官邸にいるのなら、わざわざ『所在確認を行っている』と言う必要はないのではないか」と語った。

それでもアン議員は、まだファクトチェックが必要と話した。「尹大統領が逃亡した」という情報が入ったのは事実だが、尹大統領がいつ、どこへ、誰と同行したのかなどは確認されていないという。ただし信憑性は高いとし、「公捜処長の発言や警察のブリーフィングを聞くと、第三の場所へ避難したのではないかと思う。もし事実なら、こんな卑劣な犯罪者はいない」と批判した。

また、「祖国革新党」のパク・ウンジョン議員も同日、仏教放送(BBS)のラジオ番組『シン・インギュの朝ジャーナル』に出演し、「大統領官邸のある場所には、キム・ヨンヒョン元国防部長官の公館や合同参謀本部議長の公館もある。(尹大統領の)逃亡に備えるべきだ」と述べ、尹大統領が周辺の別の公館に避難した可能性を指摘した。

2度目の逮捕状執行を控え、「全力を挙げて追跡」

尹大統領の逃亡が事実かどうかにかかわらず、その可能性が提起された時点で、共助捜査本部による2度目の逮捕状執行の難易度はさらに高まるとみられる。

高位公職者犯罪捜査処のオ・ドンウク処長
(写真=時事ジャーナル)高位公職者犯罪捜査処のオ・ドンウク処長

具体的には、①尹大統領が逃亡せず官邸に留まっている場合、②逮捕状執行と同時に逃亡する場合、③すでに逃亡し別の場所に居所を移している場合のすべてを想定し、「逮捕シナリオ」を立てなければならないからだ。

匿名を求めた共助捜査本部の関係者は「各捜査機関のすべての力を総動員して尹大統領の身柄を確保する」としつつも、「被疑者であると同時に大統領という身分ゆえ、その動線を正確に追跡し確認するには限界がある」と述べた。

オ・ドンウク公捜処長は前日(1月7日)午後、国会・法制司法委員会全体会議で「尹大統領が現在官邸にいるのか」という「共に民主党」パク・ポムゲ議員の質問に対し、「その点については正確に報告を受けていない」と答えた。

また、パク議員が「尹大統領が官邸近くの国防部長官や陸軍参謀総長、合同参謀本部議長の公館などに逃げた可能性もあるのか」と尋ねると、「様々な可能性を考えている」と応じた。

法曹界によると、前日午後、ソウル西部地裁は尹大統領に対する逮捕状を再発付した。公捜処は、6日に尹大統領に対する1度目の逮捕状執行期限が切れるのを前に、執行期限延長のために逮捕状を再請求していた。

これにより共助捜査本部である公捜処と警察は、近く尹大統領に対する逮捕状の再執行を試みるとみられる。

(記事提供=時事ジャーナル)

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