「中国は悪だが、日本はさらに悪い」
これは、アメリカの鉄鋼大手「クリーブランド・クリフス」のゴンカルベスCEOの発言だ。
彼は1月13日に記者会見し、「中国は悪だ。中国は恐ろしい。しかし日本はもっと悪い。日本は中国に対してダンピング(=不当廉売)や過剰生産の方法を教えた」などと発言した。
USスチールの買収をめぐり、ライバル関係にある日本製鉄を念頭に置いた発言と見られる。クリーブランド・クリフスは2023年にUSスチールの買収を提案したが、USスチール側が日本製鉄を選んだ経緯がある。
さらに記者会見でゴンカルベスCEOは、太平洋戦争での日本の敗戦を念頭に「日本よ、気をつけろ。あなたたちは自分が何者か理解していない。1945年から何も学んでいない。我々の血を吸うのはやめろ。我々はアメリカ人だ。我々はアメリカ人を愛し、アメリカを愛している」とも述べたという。
日本製鉄は1月14日、「ゴンカルベス氏は偏った固定観念に固執し続けていると認識している。提案は、本買収における日本製鉄の計画の範囲と規模に匹敵し得ない」と反論した。
このゴンカルベスCEOの発言は、韓国でも注目を集めている。
韓国メディアは「“中国よりも悪い”…米CEOの発言に衝撃を受けた日本」(『韓国経済』)、「米クリフス、“日本は悪…USスチール買収望む”」(『イーデイリー』)、「USスチール買収に乗り出したクリフスCEO、日本を痛烈批判…“中国よりも悪い”」(『ニューシス』)と見出しを打って、詳細を報じた。
オンライン上でも様々な意見が寄せられている。
多かったのは「いくらなんでも、中国ほどひどいだろうか」「過去も今も未来も、中国より悪い国があるのだろうか」といった反応だ。
調査データによると、韓国では近年、中国に対する好感度が下がっている。韓国教育部傘下の東北亜歴史財団が韓国リサーチに依頼し、昨年7月22日から30日にかけて全国18~39歳の男女1000人を対象に実施した調査結果を見ても、中国に対する好感度は、わずか10.1%に過ぎなかった。反対に否定的な回答は86.2%に達している。
一方で、ゴンカルベスCEOの主張を肯定するコメントも見受けられた。「よく考えると、日本は世界の悪の枢軸だ」「やはりアメリカは韓国と血盟だ。中国は悪いが、日本はもっと悪い」「日本の原罪はいまだに消えていない」といった声だ。
少数ながら、「日本はすごい。バイデンを提訴したなんて、うらやましい」「USスチールの買収、日本は1株あたり55ドルと提示したが、半値で自国に譲ろうとする無茶苦茶な批判だ」といった意見もあった。
ゴンカルベスCEOの発言をめぐる議論は、日米韓の関係を再考させる契機となるかもしれない。これからの動向が注目される。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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