『もののけ姫』や『千と千尋の神隠し』で知られる宮崎駿監督が「アジアのノーベル賞」といわれるマグサイサイ賞を受賞した際に発表したメッセージが、韓国で注目を集めている。
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日本の『朝日新聞』は11月24日、フィリピンで行われたマグサイサイ賞の授賞式で、スタジオジブリ取締役の依田謙一氏が代読した宮崎駿監督のメッセージを紹介した。
それによると、宮崎監督はマグサイサイ賞を受賞したことで「改めてフィリピンに思いをはせた」とし、「2016年、当時の天皇、皇后両陛下が、ここマニラを訪れ、マニラの市街戦に触れながら、命を失った多くの戦没者を慰霊した」と伝えた。
続けて「日本人は戦時中、ひどいことを散々した。民間人をたくさん殺した。日本人はこのことを忘れてはいけない。ずっと残っていることだ」と強調した。
そして「そういう歴史があるなかで、フィリピンからマグサイサイ賞を贈られるということを、厳粛に受けとめている。本当にありがとうございました」と締めくくった。
この宮崎監督のメッセージは、少なくない韓国メディアが取り上げた。
そのほとんどの記事で、「宮崎監督は過去にも日本が慰安婦問題について謝罪すべきだと発言し、過去の歴史に対する反省に消極的な日本政府を批判したことがある」と付け加えられている。
そもそも宮崎監督の作品は、韓国でも愛されている。
それは韓国最大のポータルサイト「NAVER」の映画セクションにおいて、『千と千尋の神隠し』は10点満点中9.37点、『もののけ姫』は9.33点、『天空の城ラピュタ』は9.30点など、高い評価を得ていることからもわかる。
特に『ハウルの動く城』は韓国で261万人を動員し、同国で公開された日本アニメ映画の歴代4位(1位『すずめの戸締まり』、2位『THE FIRST SLAM DUNK』、3位『君の名は。』)となっているほどだ。
そのため宮崎駿監督の今回のメッセージについても、韓国のオンライン上では「日本にも尊敬できる人はいる」「深みのあるアニメーションを作る精神世界が、自国を偏見なく直視する姿勢を育てたのだろう」「こういう人がいる一方で、日本政府に反省がないのが問題」「また素晴らしい作品を待っています」といった肯定的なコメントが並んだ。
宮崎監督の今回のメッセージは、アジア全体に共通する歴史問題への真摯な姿勢といえるだろう。アニメーションを通じて多くの人々に影響を与えてきた監督の思いが、多くの人々に届くことを期待したい。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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