韓国の現職大統領が史上初めて身柄を拘束された。
高位公職者犯罪捜査処(公捜処)と警察が1月15日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領を内乱首謀などの容疑で逮捕した。
尹大統領は同日午前、公捜処による逮捕令状執行に先立ち、「国民へのメッセージ」と題した映像を発表し、「法がすべて崩壊した」と述べた。
メッセージで尹大統領は「捜査権のない機関に令状が発行され、さらに令状審査権のない裁判所が逮捕令状と押収・捜索令状を発行している。また、捜査機関が虚偽の公文書を作成して国民を欺いている」と主張した。
さらに「私は今日、彼らが警護・保安区域に消防装備を動員して侵入してくるのを見て、不幸な流血事態を防ぐために、一時的に不法捜査ではあっても公捜処への出頭に応じることにした」とし、「しかし、この公捜処の捜査を認めたわけではない」と強調した。
内乱首謀の容疑を受けている尹大統領は、憲政史上初めて現職大統領の身分で逮捕された。かつて弾劾された朴槿恵(パク・クネ)元大統領は、弾劾後に民間人の身分で検察の調査に応じただけで、現職の身分で捜査機関の調査を受けたことはなかった。
「12・3非常戒厳事態」から43日目、2回目の逮捕令状が発行されてから8日目のことだった。
尹大統領の「国民へのメッセージ」全文は、以下の通り。
◇
尊敬する国民の皆さん、これまでお元気でお過ごしでしたか?
私を応援し、多くのご支持をくださったことに心より感謝申し上げます。
残念ながら、この国では法がすべて崩壊しました。
捜査権のない機関に令状が発行され、さらに令状審査権のない裁判所が逮捕令状や押収・捜索令状を発行するのを見ながら、そして捜査機関が虚偽の公文書を作成して国民を欺くという、不法の不法の不法が行われ、無効な令状によって手続きを強制的に進める姿を見ると、本当に嘆かわしい思いを禁じ得ません。
私は、このように不利益を被ったとしても、国民の皆さんが今後こうした刑事事件に巻き込まれる際に、こうした事態が二度と起こらないことを心から願っています。
私は今日、彼らが警護・保安区域に消防装備を動員して侵入してくるのを見て、不幸な流血事態を防ぐために、一時的に不法捜査ではあっても公捜処への出頭に応じることにしました。
しかし、私がこの公捜処の捜査を認めたわけではありません。
大韓民国の憲法と法体系を守るべき大統領として、このように不法的で無効な手続きに応じるのは、それを認めるためではなく、不幸な流血事態を防ぎたいという一心からです。
国民の皆さん、これまで特に若者たちが自由民主主義の大切さを本当に再認識するようになり、それに対する熱意を見せている姿を見て、今は法が崩壊し、漆黒のように暗い時代ではありますが、この国の未来には希望があると考えるようになりました。
国民の皆さん、どうか健康でいらっしゃって、頑張ってくれることを願います。
ありがとうございます。
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