断罪の始まりvs杜撰な起訴…現職大統領が拘束起訴される異例の事態、韓国与党と最大野党で評価真っ二つ

2025年01月27日 政治 #時事ジャーナル
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韓国で憲政史上初めて現職大統領が拘束された状態で起訴されるという異例の事態に対し、与野党の反応が極端に分かれた。

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与党「国民の力」は「誤った杜撰な起訴」と反発した一方で、最大野党「共に民主党」は「内乱首謀者に対する断罪の始まりだ」と評価した。

「国民の力」のシン・ドンウク首席代弁人は1月26日、論評を通じて「本日の検察による起訴は、多くの法曹人が指摘しているように、高位公職者犯罪捜査処(公捜処)の違法逮捕・違法捜査を基に行われたものであり、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する適切な調査もない『誤った杜撰な起訴』だ」と述べた。

また、シン代弁人は「大韓民国憲政史上、前例のない現職大統領の捜査が国論の分裂と国民的混乱という『大きな後遺症』を引き起こすことになった」とし、「誤った杜撰な起訴により、自らを『国民の人権保護のための準司法機関』と規定してきた検察は、あらゆる違法・便法を行った公捜処の『起訴の下請け機関』のように成り下がったに等しい」と痛烈に批判した。

さらに「軍事基地および軍事施設保護法など、明確な現行法違反を犯したオ・ドンウン公捜処長と公捜処幹部らに対する強力な捜査が速やかに行われるべきだ」と主張した。

尹錫悦大統領
(写真=写真共同取材団)憲法裁判所で行われた弾劾審判に出席した尹錫悦大統領

シン代弁人は、司法部の決断を促す発言も行った。「今後の裁判過程において、司法部は『公捜処の違法な捜査記録』を必ず排除し、起訴を必ず棄却すべき」とし、「国が混乱するほど、司法部は憲法と法律、法治主義に忠実でなければならない。司法部の『法治主義確立のための決断』を強く求める」と述べた。

「国憲紊乱に厳正な責任を求めよ」

一方、「共に民主党」は「内乱首謀者である尹錫悦の拘束起訴は断罪の始まりに過ぎない」との立場を明らかにした。

「共に民主党」のハン・ミンス代弁人はブリーフィングで、「ついに内乱首謀者に対する断罪が始まる」とし、「違法な戒厳令を共謀して実行した一党はもちろん、虚偽情報を流布して内乱を扇動した者たちまでも全員、罪を問わなければならない」と話した。

さらに「被告人である尹錫悦は『すべての国民は法の下で平等である』という法の大原則を受け入れ、裁判に誠実に臨むべきだ」と述べ、「これ以上、詭弁や嘘、自らを否定する言動で神聖な法廷を冒涜してはならない」と指摘。また、「根拠のない妄想で極右支持者を扇動しようとする試みもやめるべきだ」と付け加えた。

ハン代弁人は、シム・ウジョン検事総長が同日に招集した全国検事長会議についても批判の声を上げた。「シム総長があまりにも当然の拘束起訴を決定できず、全国検事長会議を招集したのは理解に苦しむ」とし、「国民が見守っている。検事総長のためらいが内乱首謀者の断罪に障害とならないようにしなければならない」と述べた。

さらに「裁判所は内乱首謀者である尹錫悦の国憲紊乱と民主主義の蹂躙について厳正に責任を求めるべきである」とし、「多くの国民の犠牲によって築かれた憲政秩序と民主主義を、二度と誰も蹂躙できないように法と原則に基づき厳正な判決を下すべきだ」と伝えた。

そして「それこそが司法の正義であり、法治であり、主権者である国民の命令だ」と締めくくった。

(記事提供=時事ジャーナル)

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