アップル、米やEUとは異なる韓国での態度…勝手に4000万人の個人情報を中国企業に流して「知らんぷり」

2025年02月27日 国際 #時事ジャーナル
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アップルなどの多国籍企業の違法行為に対する「甘い処罰」が韓国で議論となっている。

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韓国の顧客の同意を得ずに4000万人の個人情報を中国のアリペイに提供し、24億ウォン(約2億4800万円)の課徴金を受けたアップルが、韓国の個人情報保護委員会の調査を「知らないふり」で押し通したからだ。

処罰の厳しいアメリカや欧州では、積極的に改善の意志を示したのとは対照的だ。

グローバル企業が韓国国内で問題を起こした際、形ばかりの対応に終わる状況が繰り返されるなか、制裁の強化が必要だとの指摘が出ている。

アップル、ほとんどの質問に答えず

2月27日、韓国の個人情報保護委員会が公開した速記録によると、今年1月、アップルペイとカカオペイの個人情報流出に関する処分が議論された第1~2回の全体会議で、アップルの国内代理人が委員会の厳しい指摘を受けたことが明らかになった。

委員会の質問の大部分を回避したためだ。

カカオペイ
(画像=カカオペイ)

当時の会議でアップルは、委員の質問のほとんどに「本社に確認する必要がある」「正確にはわからない」「申し上げるのは難しい」などと答え、即答を避けた。事案の経緯を証明できる文書や資料の提出を求められても、「証拠資料はない」「資料を見つけられなかった」と回答した。

処分のレベルを議論する次回の会議では、アップルに対する委員たちからの指摘が相次いだ。

当時の速記録によると、ある委員は「資料を持っていない、これ以上話せないというのが、被審人としての態度なのか非常に疑問だ」「本来責任を負うべき会社が『私は知らず、情報を利用しただけだ』と述べる状況では、酌量の余地はまったくない」と述べた。

先立って、個人情報保護委員会の調査の結果、アップルはアリペイにカカオペイ利用者の決済情報を送信し、個人情報の処理を委託していた。顧客の資金不足の可能性を判断するNSFスコアを算出する目的だった。

この過程で、個人情報の海外移転について利用者に通知していなかった。これに対し、個人情報保護委員会はアップルに24億500万ウォンの課徴金を科した。

韓国の「甘い処罰」が招いたのか

アップルをはじめとする海外IT企業がこのような態度を示すのは、今回が初めてではない。

2022年にインアプリ(In-App)決済強制禁止法が施行された際には、抜け道を利用して法を骨抜きにしたことが代表的な事例だ。法施行により、アップルとグーグルは韓国でインアプリ決済以外の第三者決済方式を使用したアプリの配布を認めることになった。

しかし、第三者決済の手数料率はインアプリ決済の手数料(30%)よりわずか4ポイント低い26%に設定され、国内法を事実上無視したとの批判が相次いだ。

アップル
(写真=サーチコリアニュース編集部)

放送通信委員会は、アップルとグーグルがインアプリ決済強制禁止法に違反したと判断し、それぞれ475億ウォン(約49億1400万円)、205億ウォン(約21億2000万円)の課徴金を科した。しかし、放送通信委員会の常任委員不在などが重なり、1年4カ月が経過しても制裁を確定できていない。

業界では、海外企業への「甘い処罰」がこうした行動の繰り返しを招く主要な要因と指摘されている。

IT業界関係者は「グローバルビッグテック企業は、国内法による実質的な制裁が難しいことを理解しており、調査の段階から国内企業ほど深刻に受け止めていない傾向がある」「韓国市場は彼らにとって規模が小さく、協力的な態度を期待するのは難しい」と述べた。

処罰の厳しい欧州やアメリカでは、彼らの態度は大きく異なる。

2024年3月、欧州連合(EU)でデジタル市場法(DMA)が施行されると、アップルは独占的なエコシステムを改善するための措置を積極的に講じた。DMAは、大規模オンラインプラットフォーム事業者の市場支配力の乱用を防ぐための規制だ。

EUは、アップルが音楽ストリーミングアプリ市場で市場支配力を乱用したとして、18億ユーロ(約2813億円)の制裁金を科し、閉鎖的なエコシステムを開放するよう圧力をかけた。

これを受け、アップルは欧州でiOS、App Store、Safariのポリシーを変更し、アップル決済システム以外の代替決済システムを許可した。特に、国内で抜け道を利用して迂回していた決済システムの手数料は、30%から17%へと半減した。

アメリカでも、アップルの独占的地位に対抗する大規模訴訟が進行中だ。

アメリカ司法省は2024年、アップルが自社に脅威となる可能性のあるアプリを排除し、競合他社のアプリの魅力を低下させることで反トラスト法(独占禁止法)に違反したとして、アップルを提訴した。市場と消費者を保護するための政府の積極的な措置が講じられている。

韓国国内でも、より強力な規制と制裁が必要だとの声が高まっている。2月24日、海外事業者の国内個人情報保護の管理・監督と制裁を強化する個人情報保護法改正案が、国会政務委員会を通過した。

しかし国内外のプラットフォームの独占を防ぐためのプラットフォーム独占規制法案は、審議が頓挫した。

(記事提供=時事ジャーナル)

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