尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領に対する弾劾訴追から111日目となる4月4日、大統領職の「罷免」か「職務復帰」かが決定される。
韓国の政界では、憲法裁判所が突然発表したこのスケジュールをめぐり、それぞれに都合の良い解釈が飛び交っている。
与党「国民の力」側は「憲法裁が共に民主党の行動に耐えかねて宣告日を指定した」と主張し、「大統領の弾劾は棄却または却下される」との見通しを示した。
一方、野党側は「ついに憲法裁が春の雨の知らせをもたらした」として、「常識があれば当然、大統領は罷免されるべきだ」と自信を見せた。
「大統領弾劾反対」のリレー抗議を主導してきた「国民の力」のユン・サンヒョン議員は4月1日、国会の記者会見場で憲法裁の宣告日確定直後に記者たちと会い、「当然、棄却または却下されるはずだ」と強調した。
彼は「憲法裁判所の裁判官たちは、共に民主党が（憲法裁判所法の改正案を強行しようとする）様子を見て『これはもう無理だ』と判断し、宣告日を指定したのだと思う」と語った。
ユン・サンヒョン議員は、弾劾審判の内容について「内乱罪の立証も、弾劾訴追人側の主張の立証も何ひとつない」とし、「ホン・ジャンウォンのメモとクァク・ジョングンの証言はあまりに汚染されている。信憑性に疑問がある場合は、被訴追人に有利に判断せざるを得ない」と主張した。
特に、弾劾理由から内乱罪が除外されたことを挙げ、「手続き上の瑕疵が結果の正当性を担保することはできない。不公正・不法・違法があまりにも多く行われたのが弾劾審判の過程だった」と指摘した。
これに対し、野党側は憲法裁判所が「内乱」を終息させる常識的な判断を下すことを期待している。
最大野党「共に民主党」のパク・チャンデ院内代表は同日、ソウル・三清洞の国務総理公館前で記者会見を開き、「今この内乱状態を収拾し終息させる最高の判決は、疑いようのない内乱首謀者・尹錫悦の罷免だけだ」と述べた。
続けて「8人の憲法裁判官は、内乱首謀者・尹錫悦を罷免することで、民主主義の危機、国民生活の危機、安全保障と平和の危機を必ずや解消してくれることを国民と共に期待し、命じる」と強調した。
また、ハン・ドクス大統領権限代行とチェ・サンモク前権限代行が、マ・ウンヒョク憲法裁判官候補の任命を最後まで行わなかったため、「憲法裁8人体制」で宣告が下されることについては、「最後まで違憲状態を維持したまま宣告を迎えることになった。本当に遺憾だ」と述べ、「違憲状態の解消を怠り、最後まで責任を取らなかったハン代行とチェ副総理には、必ず責任を問う」と警告した。
野党「祖国革新党」も、弾劾審判の宣告日が決まったことに対して即座に立場を表明した。
キム・ボヒョプ革新党報道官は声明で、「春のようで春でない日々が続くなか、ついに春雨のような知らせがもたらされた。干ばつの春に降る恵みの雨のようだ」と述べつつ、「すでにあまりにも遅い。内乱首謀者・尹錫悦が突然非常戒厳を宣言したのが昨年12月3日なのに、制裁が行われるのは4カ月も後のことだ」と憲法裁を非難した。
さらに「“遅れた正義は正義ではない”という言葉がある」とし、「憲法裁が“遅れた正義もまた正義である”ということを証明してほしい。裁判官全員一致の意見で『被請求人、大統領・尹錫悦を罷免する』との宣告を下してほしい」と強く訴えた。
また「全国民が尹錫悦の重大犯罪の目撃者だ。全世界が“大韓民国はまだ民主共和国なのか”と問いかけている。内乱首謀者・尹錫悦の罷免宣告こそが、民主憲政を守り、大韓民国を救う道だ」とも強調した。
昨年12月14日、尹錫悦大統領の弾劾訴追案を可決する際に議長として議事槌を打ったウ・ウォンシク国会議長も同日、フェイスブックに「憲法秩序が回復され、法治主義が正される日になることを心から願う」と短く書き込んだ。
一方、憲法裁は4月4日午前11時、大審判廷で尹錫悦大統領の弾劾審判の結果を宣告すると発表した。
この日、裁判官6人以上が大統領弾劾に賛成した場合、尹錫悦大統領は即時に大統領職を退くことになる。しかし6人に達しなかった場合、弾劾は棄却または却下され、尹錫悦大統領は直ちに大統領職に復帰することとなる。
（記事提供＝時事ジャーナル）
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