キム・ハヌルやイ・ボミの共通点とは? アラサーになった“朴セリ・キッズ”たち

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現在は日本女子プロゴルフツアーを主戦場とするキム・ハヌル。韓国女子ツアー2年連続(2011年、2012年)賞金女王の実績を引っ提げて来日したばかりの頃に、雑誌の取材でインタビューしたことがある。

当時は来日したばかりで日本の文化にも興味津々のようで、「日本の着物も着てみたい」とも語っていた。さすがファッションにも関心が高く、韓国では“フェアウェイのファッショニスタ”と呼ばれるだけあるとも思った。

ちなみにハヌルとは韓国で“空”という意味で、大会最終日はスカイブルーのウェアを着用するのがジンクスだと明かしてくれた。「スコアが悪くなる」というジンクスからサングラスも着用しないとも語っていた。

キム・ハヌル(写真=KLPGA)

そんなキム・ハヌルはイ・ボミや申ジエとは同級生である。実はこの3人は同じ1988年生まれで(パク・インビも)、韓国では“朴セリ・キッズ”とも言われている。

朴セリとは韓国女子ゴルフ界の“生きる伝説”で、今季限りの引退を表明したスーパースター。韓国では彼女に影響されてゴルフを始めた者たちを“朴セリ・キッズ”と呼ぶ。

以前、イ・ボミを取材したときも「私たちの世代は、セリ・オン二(姉さん)に影響されてゴルフを始めた選手が多い。まさに私は“朴セリ・キッズ”です」と言っていた。

“朴セリ・キッズ”と呼ばれるのはイ・ボミやキム・ハヌルだけではない。

1987年生まれのチェ・ナヨン(2010年LPGA賞金女王)やアン・ソンジュ(2010~2011 年、2014年JLPGA賞金女王)も“朴セリ・キッズ”だろう。

例えばアン・ソンジュは、もともとテニス選手になることを夢見ていたが、朴セリに惹かれてゴルフに転向し、メキメキと上達していったらしい。

小学生の頃から彼女を知る元韓国代表コーチによると、「当時から度胸がある選手でしたね。勝負どころで動じることはなく、冷静に自分のゴルフを貫けるタイプ」だったという。

美人ゴルファーとして長くアメリカで活躍し、そのルックスから日本でも人気があるチェ・ナヨンも“朴セリ・キッズ”だ。

チェ・ナヨンは中学3年生で韓国代表入りし、翌2004年にはアマチュアの高校生ながら韓国女子ツアー優勝。2008年からアメリカ女子ツアーに参戦する“早熟の天才”だが、アマチュア時代やプロになってからも壁にぶち当たったこともある。そのたびにアドバイスをくれたのが韓国代表コーチや朴セリだったという。

そんなチェ・ナヨンは朴セリについてこう言っている。

「セリ・オンニは若い選手たちにお手本になってくれた。オンニはアメリカでホテルとゴルフ場の間しか往復しなかった日々が今となっては残念だったと言って、若い私たちにはゴルフを楽しみ、たくさんのことを見て経験し、たくさんの友人を作るようアドバイスをしてくました。今でもその言葉を大切にしています」

ゴルフを楽しみ、たくさんのことを見て経験し、たくさんの友人を作ること。それはキム・ハヌルやイ・ボミが日本でも実践していることでもある。レジェンドの教えとアドバイスは今でも“朴セリ・キッズ”たちに大きな影響を与えているのだろう。

今では30代になった“朴セリ・キッズ”たち。イ・ボミ、キム・ハヌル、申ジエ、アン・ソンジュなど日本で活躍する“朴セリ・キッズ”たちは今後、どれだけ勝利を重ねていくのだろうか。

ちなみにキム・ハヌルは以前取材したとき、「私、一度波に乗ると爆発するタイプなんです!!」とも言っていた。アラサーになった“朴セリ・キッズ”たちの今後に期待したい。

(文=慎 武宏)
 

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