俳優イ・ビョンホンが語る映画『非常宣言』「ラストカットの解釈は人それぞれ。韓国でも議論に」【独占インタビュー】

2023年01月08日 韓流 #映画 #インタビュー
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「映画『非常宣言』をジャンル分けするのは難しいですね。ただ、強いて言うならば災害映画、つまりパニック映画のひとつに分類できるかもしれませんね」

イ・ビョンホンに最初に聞いたのは映画のジャンルのことだ。映画のタイトルとなっている「非常宣言」とは、航空機が何らかのトラブルによって正常な飛行が不可能だと判断した場合に、機長が軟着陸などを決断する緊急事態宣言(日本では「エマージェンシー宣言」とも言う)のこと。

すなわち『非常宣言』は航空パニック・ムービーとジャンル分けでき、映画は無差別バイオ・テロに襲われ一大パニックに襲われた航空機機内が舞台になるが、イ・ビョンホンが演じるのは機長でもなければ管制塔の司令官でもない。

「乗客のひとりという役回りです。それも飛行機が苦手な中年男性で、娘のために仕方なく搭乗するが、その飛行機の中で事件が起きて物語が動き出します」

映画『非常宣言』より(2022 showbox and MAGNUM9 ALL RIGHTS RESERVED.)

劇中でイ・ビョンホンが演じるジェヒョクは、アトピーを患う娘の治療のために仁川(インチョン)発ハワイ行きの航空機KI501便に乗る。搭乗前に彼の姿を見たKI501便の副機長チェ・ヒョンス(キム・ナムギル扮)が何やら意味深な表情を浮かべるが、ふたりの関係は物語が進むことによって明かされていく。

「ヒョンスだけじゃない。ジェヒョクは空港で怪しい若者(イム・シワン扮)にも出くわします。それを客室のチーフパーサーであるキム・ヒジン(キム・ソジン扮)に警戒するよう進言するのだけど、やがて機内で謎の死者が出て、それが無差別バイオ・テロだとわかって機内は絶望的なパニックに陥ってきます」

その頃、地上では第一報を受けた韓国の国土交通省キム・スクヒ長官(チョン・ドヨン扮)や大統領府のパク・テス国家危機管理センター室長(パク・ヘジュン扮)などが事態の収拾に動く。

特に必死なのは事前に航空機テロの通報を受けていたベテラン刑事ク・インホ(ソン・ガンホ扮)だ。彼にはこの事件を解決しなければならない理由があった。

無差別バイオ・テロに襲われ一大パニックに襲われた航空機で災難に立ち向かう“空の人々”と、その事態収拾に奔走する“地上の人々”。まさにパニックに次ぐパニックが連続する中、地上と空の両方でさまざまなドラマが起きるのだ。イ・ビョンホンも語る。

「ジェヒョクが機内で抱く戸惑いや恐怖は、機内にいたほかの乗客たちの気持ちと共通します。つまり、ジェヒョクは機内の乗客たちの心理を代弁する立場にあった。演技するに当たってはその心理をリアルに代弁することを、とにかく意識しました」

映画の魅力は「余白」にある

 

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