俳優イ・ビョンホンが語る映画『非常宣言』「ラストカットの解釈は人それぞれ。韓国でも議論に」【独占インタビュー】

2023年01月08日 韓流 #映画 #インタビュー
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恐怖に怯える大衆心理を演技するイ・ビョンホン。これまで彼が演じてきたキャラクターにはなかった一面だ。

イ・ビョンホンと言えば、『美しき日々』『オールイン 運命の愛』といったドラマで第一次韓流ブームを牽引し、『G.I.ジョー』シリーズや『REDリターンズ』『マグニフィセント・セブン』といったハリウッド映画でも活躍し、韓国人俳優ハリウッド進出の先陣を切った人物。

最近は世界的にヒットを呼んだNetflixオリジナルシリーズ『イカゲーム』にナゾのフロントマンとして特別出演したり、ヒューマンドラマ『私たちのブルース』で荒っぽいけど情に熱いなんでも屋を演じたりと、ジャンルを問わずさまざまな作品に挑戦し、毎回新たな一面を見せてることで有名だが、『非常宣言』でも多くの共演者たちとともに、これまでない役柄を見事に演じた。

映画『非常宣言』より(2022 showbox and MAGNUM9 ALL RIGHTS RESERVED.)

特にイ・ビョンホンにとって、ソン・ガンホとチョン・ドヨンは戦友のような存在。ソン・ガンホとは『JSA』『グッド・バッド・ウィアード』『密偵』で、チョン・ドヨンとは『我が心のオルガン』『メモリーズ 追憶の剣』『白頭山大噴火』で共演し、いずれの作品でも名シーンを演じてきた。イ・ビョンホンは語る。

「ソン・ガンホさん演じるク刑事やチョン・ドヨンさん扮するキム長官と僕が演じるジェヒョクがどう絡むかについてはネタバレになってしまうので詳しくは話せませんが、これだけは言っておきたい(笑)。

3人それぞれのラストカットをどう受け止め解釈するか、ハッピーエンドなのかサッドエンドなのかなど、観客によって見方や感じ方は異なると思います。韓国でも映画を観終わったあと、観客たちの間でいろんな議論が起きました。ただ、僕はそこに映画の魅力というか、“余白”があると思ってます」

―余白、ですか?

「ええ。映画の上映時間が長くても2時間強。その時間内で登場人物のすべてを見せることは不可能だし、あえてそうしようともしない。登場人物の人生の一部だけを切り取って物語が展開されますよね?でも、だからこそ映画って見終わったあとも余韻が残るし、僕はそれは“余白”だと思っています。見る側にいろいろと想像もさせるから、人によって解釈もそれぞれ。つまり、余白を埋めるのは観客たちだと思うんですよ。『非常宣言』についてもぜひご覧いただき、その結末について想像力を働かせ、“余白”を埋めてくれればと思います」

◇イ・ビョンホン プロフィール

1970年7月12日生まれ。1990年にKBS公開採用14期生に合格し、ドラマ『アスファルト、我が故郷』でデビューした。2000年に公開された主演映画『JSA』は韓国でメガヒットし、社会現象に。2004年にドラマ『美しき日々』が日本で放送され“韓流四天王”のひとりとして第一次韓流ブームの牽引役に。紅白歌合戦・特別ゲスト(2004年)、韓国人俳優初の東京ドーム単独公演(2005年)など快挙も多く、2009年には『G.I.ジョー』でハリウッド進出。『REDリターンズ』『ターミネーター:新起動/ジェネシス』『マグニフィセント・セブン』などにも出演し、第88回アカデミー賞(2016年)では韓国人俳優初のプレゼンターも務めた。映画では『王になった男』『インサイダース』、ドラマでは『IRIS-アイリス-』『ミスター・サンシャイン』など代表作多数。最近は『KCIA 南山の部長たち』『イカゲーム』『私たちのブルース』など、幅広いジャンルの作品で存在感を放っている。

文=慎 武宏

*この原稿はヤフーニュース個人に掲載した記事を加筆・修正したものです。

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