東京ドームでは2月18日、『オードリーのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)の15周年記念イベント『オードリーのオールナイトニッポンin東京ドーム』が行われた。
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この日は東京ドームのほか、全国の映画館などで行われたライブビューイング、そしてオンライン配信を含めると約16万人が鑑賞したという。
「チーム付け焼刃」の名で知られる番組スタッフ陣、ビトタケシ、ニッチロー、TAIGA、ダブルネーム・ジョー、松本明子といったおなじみの面々に加え、ANNファミリーの星野源、フワちゃんも登場し、リトルトゥース(オードリーANNのリスナー)大満足の“伝説”の3時間半となった。
大成功で幕を閉じた今回のイベントだが、開催3日前には転売チケットの“無効化”を報告したことが注目を集めた。毅然とした対応が、「運営の本気を見た」とネットを中心に称賛されていた。
『オードリーのオールナイトニッポンin東京ドーム』に限らず、チケット転売が社会問題と化している昨今。今回の無効化が好例となり、転売ヤーが撲滅されることを願う人も多いはずだ。
そんな転売問題に関して、お隣・韓国ではユニークな対策が行われていることをご存知だろうか。
韓国コンテンツ振興院によると、“闇チケット”(高額転売チケット)の件数は2020年の359件から、2022年には4224件と10倍以上も急増している。なかでも、毎回激しいチケット争奪戦が繰り広げられることで知られる歌手イム・ヨンウンのコンサートは、2枚で550万ウォン(約55万円)まで高騰したりもした。
そんななか、歌手チャン・ボムジュンが活用した“NFTチケット”が注目集めている。
NFTチケットはブロックチェーン技術が適用されており、購入者本人だけが観覧できるようにするというもので、譲渡はもちろん、違法取引も不可能だ。違法販売で多用される「マクロ(反復作業を自動化するプログラム)」が使えないという点で、闇チケットを根絶しうる新たな方法だと業界も注目している。
また韓国の“歌姫”と知られるIUは、不正チケットの取引が発覚した者をファンクラブから永久退場させ、通報した者にそのチケットを進呈するという“密告”制度を導入して話題になった。そのほかにも、ソン・シギョンは、彼のマネージャーが購入者に偽装してオンライン闇チケット取引現場を取り締まったりもしている。
このように、様々な対策が講じられている一方で、根絶が難しいのも事実である。というのも、現行法では違法な闇チケット売買を摘発し、処罰するには法的根拠が不足しているためだ。
例えば、アメリカは大部分の州でチケットの再販売を許容しているが、マクロプログラムを使用した場合だと最大1万6000ドル(約230万円)の罰金刑が課される「オンラインチケット取引改善法(Better Online Ticket Sales Act)」が2016年に制定された。
しかし、韓国ではオフライン闇チケットの売買に限り、軽犯罪処罰法により20万ウォン(約2万円)の罰金や拘留・過料処分があるだけで、ネット上での闇チケット取引には制裁する根拠がない。国会で売買を防ぐための法案も数件発議されたが、現時点では何一つ決まっていないのだ。
いずれにせよ、本当に欲しているファンにチケットが届かないという現状は、決して正常とは言えないだろう。今回の『オードリーのオールナイトニッポンin東京ドーム』が見せた強気の対応が浸透し、転売ヤーが根絶されることを望むばかりだ。
(文=サーチコリアニュース編集部K)
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