何かと話題に上ることの多い著作権問題。
【画像】韓国アニメ業界が直視したがらない“黒歴史”と呼ばれる3つのアニメ作品
例えば映画『アナと雪の女王』の主題歌『レット・イット・ゴー~ありのままで~』が自身の曲に酷似しているとして、チリ人歌手ハイメ・シエロがディズニーなどに著作権の使用料を求めたと報じられていた。
日本音楽著作権協会(JASRAC)が音楽教室に著作権の使用料徴収を求めている問題も大きく取り上げられており、著作権に対する関心が高まっているが、お隣・韓国でも、著作権問題が物議を醸している。
しかも、日本のコンテンツの“パクリ”が横行しているという話だ。
2017年には、あるキャラクターデザインが韓国特許庁の審査を経て登録されたが、それが大問題だった。。
登録されたキャラクターデザインが『ポケットモンスター』のピカチュウに酷似しているとの意見が持ち上がったのだ。
このキャラクターは、すでにグッズ化されてインターネット通販などで販売されており、デザイナーは、「黄色いウサギをイメージして作った」と説明している。
ただ、耳こそ垂れ下がっているものの、たしかにその色合いや造形は、ピカチュウを連想しても不思議ではないだろう。
韓国のネット上では「ピカチュウではなく、むしろデジモンのテリアモンをパクったのではないか」との声も上がってたが、いずれにしても、盗作を疑われていることに変わりはない。
そればかりか、このデザイナー(A氏)には、ほかの作品にもパクリ疑惑が浮上した。
韓国メディアの報道では、A氏の作品の中には『千と千尋の神隠し』の「カオナシ」にうり二つのデザインや、メッセンジャーアプリ「カカオトーク」のキャラクター「カカオフレンズ」によく似ているものもあると伝えられている。
なお、ピカチュウの版権元である任天堂はA氏のデザインについて、韓国特許庁に対して異議申し立てを行っており、カカオフレンズ社も法的対応を検討した。
もっとも韓国でパクリ騒動が起きるのは、珍しいことではない。
例えば2016年には、韓国で公開されたアニメ映画『月光宮殿』が『千と千尋の神隠し』にそっくりだとして論争を巻き起こした。
月光宮殿に迷い込んだ13歳の少女が家に戻るための道を探すというストーリーに加え、湯婆婆やハクのような登場人物まで出てくるとあって、韓国ではキム・ヒョンジュ監督の名字を取って『キム・チヒロ(千尋)』という別名まで付けられたほどだった。
関係者は盗作疑惑について、「我が国の文化財を基盤にした、とても韓国的なアニメーション」などと否定していたが、騒動は収まらなかった。
また、2003年には、『ワピース』というアニメ作品も登場。
海賊王チャンピが仲間とともに冒険するという内容で、絵柄もキャラクターも『ONE PIECE』に限りなく近い作品だが、結局この制作会社は、『週刊少年ジャンプ』の韓国版権を持つ大元ICの訴えを受け、敗訴している。
韓国ドラマ『この人生は初めてだから』が、日本で大ヒットを記録した『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)とストーリーや構成、登場人物などに共通点が多いとして批判を集めたこともあったが、韓国でパクリが絶えないことには、法的拘束力の弱さも関係しているだろう。
韓国メディア『ヘラルド経済』が以前報じたところによれば、知的財産権と関連する事案については基本的に属地主義または保護国主義の原則が適用されるため、現在は著作権に対する国家間の明確な法的制限がない状況にあるらしい。
韓国の芸能関係者は、こう証言している。
「1990年代後半から2000年代初めにかけて、韓国のテレビ局は日本の番組をやたらとパクっていましたが、インターネットが普及してからは、他国のコンテンツに接する機会が増え、視聴者による批判と監視が強化されたことで、日本の番組をパクる傾向は少なくなってきています」
批判の高まりによってパクリが減ってきているという主張だが、それは逆に言えば、盗作をなくすためには世論に頼らざるを得ないということでもある。
まして冒頭の事案のように韓国特許庁も信頼できない状態とあっては、世間が目を光らせるしか対策が存在しない状況だといえるだろう。
はたして今後も韓国で模倣は続くのか。引き続き動向を追っていきたい。
(文=サーチコリア編集部)
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