韓国において“オタク”もしくは“オドック”(オタクの韓国語式発音)は、昔と違ってポジティブな意味に変わりつつある。
「何もかも目まぐるしく過ぎてゆく時代だからこそ、何かに夢中になれることは素晴らしい」と考える人が増えてきたのだ。
そんな韓国でオタクといえば、“ガンプラオタク”が代表格だろう。
2009年には女性タレントのイ・シヨンが、とある番組で「趣味はガンプラ作りです」と話したことがある。
彼女が公開したコレクションを見た人々は当時、「女がガンプラを集めるとは何事だ」と、衝撃を受けた。
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それでもイ・シヨンは“ガンプラオタク”キャラを貫き、徐々に認知度を上げる。オタクに対するネガティブな世論が少しずつ変わり始めたのも、その頃だった。
最近では、ガンプラオタクはそう珍しくもない。
例えば、人気俳優のシム・ヒョンタク、パク・ヘジン、プロ野球選手のファン・ジェギュン、人気写真家のロタ(Rotta)など有名人たちが、無類のガンプラ好きを公言しているのだ。
そもそも「ガンダム」シリーズは、韓国でも根強い人気を誇っている。
ファーストガンダムと呼ばれる『機動戦士ガンダム』はもちろん、2000年以降放送された『機動戦士ガンダムSEED』や『機動戦士ガンダム00』シリーズは男性のみならず女性ファンも多数存在するほどだ。
いくら日本のアニメに疎い人でも、一度は耳にしているはずの「ガンダム」。
韓国におけるガンダムの人気は、バンダイコリアが直営する「ガンダムベース(GUNDAM BASE)」を見てもわかる。2003年、ソウルに1号店をオープンしたガンダムベースは、現在全国で9店舗を展開するプラモデル模型店だ。
ほとんどの店舗が約100坪の規模を誇り、ファンの間では“ガンダム基地”、“聖地”と呼ばれている。いわば“韓国内の秋葉原的存在”として、オタクはもちろん、一般人がガンダムに触れ合うきっかけにもなっているのだ。
また、毎年夏頃には「ガンプラEXPO」も開催されていた。「ガンプラEXPO KOREA 2016」では、限定版ガンプラを手に入れようと、老若男女問わず長い行列ができた。
「一人で楽しめるし、完成した後の達成感がクセになる」と話す韓国のガンプラオタクたち。彼らに対する偏見はほとんどなく、ガンプラはすっかり市民権を得ているようだ。
(文=サーチコリア編集部)
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