興味深いアンケート調査がある。日経リサーチが昨年10~11月に1673人を対象に調査した、日本人の「各国・地域への友好意識」に関するアンケート結果だ。
同調査によれば、日本人が最も好きな国はオーストラリアとイギリス。いずれも「好き」「どちらかといえば好き」という肯定的な評価が72%に達した。3位はフランス(肯定71%)、4位はイタリア(肯定69%)で、アメリカは5位(肯定67%)だった。
日本人の好きな国ランキングではヨーロッパをはじめとする地理的に“遠い”国が上位に入った一方で、日本人が嫌いな国ランキングでは、近隣諸国の名が並んでいる。
そして意外な結果かもしれない。
というのも最近、両国間の葛藤が激しい韓国が嫌いな国の1位でも2位でもなかったからだ。
日本人が最も嫌いな国1位となったのは、北朝鮮だ。「嫌い」または「どちらかといえば嫌い」と答えた人は82%にも上った。アンケート結果を報じた『日本経済新聞』は、その理由を「北朝鮮は米国と非核化交渉の動きをみせるが、核・ミサイル開発の脅威は消えていない」と説明している。
北朝鮮に次いで否定的な評価が多かったのは、中国(否定76%)だ。南シナ海や尖閣諸島などの外交問題が、否定的な印象につながった可能性が高いという。
そして嫌いな国3位となったのが、お隣・韓国である。
韓国に否定的な印象を持つ人は、61%。北朝鮮や中国に比べれば大きく否定派が落ちており、4位のロシア(否定57%)とも僅差という結果になっている。
以前、別の調査で否定派65%を記録して、“世界一の嫌韓国家”とされたドイツと比べても少ない数字だ。
ただ嫌いな国5位のフィリピンへの否定的評価は21%しかないため、上位4カ国が圧倒的に嫌われていることが証明されたともいえるかもしれない。
韓国に対する否定的な印象を持つ人の特徴としては、「世代が上がるほど“嫌い”、“どちらかといえば嫌い”と答える人の割合が増える傾向にあり、60歳代では約7割に上った」(『日本経済新聞』)という。
年齢が高い人ほど、嫌韓傾向があるという結果だ。
日本人が嫌う国3位という結果に、韓国はどんな反応を示したのか。
今回のアンケート調査については、韓国メディアでも「日本人が最も嫌う国は北朝鮮…韓国は3番目」(『朝鮮日報』)などと報じられているのだが、韓国ネットユーザーのコメントには以下のようなものがあった。
「周辺国はみんな日本が嫌いだよ」
「白人になりたい日本」
「私も北朝鮮、中国、日本の順で嫌い」
「韓国で同じ調査をすれば中国が1位だろう」
「日本への観光を自制しましょう」
日経リサーチの今回のアンケート調査は2018年10~11月に行われたもので、最近の日韓で大きな注目となっている“レーダー照射問題”などが起きる前だっただけに、今現在はまた別の結果になるかも知れない。
いずれにしても日本人が嫌いな国ランキングで1~3位となった北朝鮮、中国、韓国。今後も同じ傾向が続くのか、また上位のランキングに変動はあるのか、注目してみたい。
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