「所得や教育水準が低い人ほどタバコの本数が増える」…韓国喫煙者の実状

2016年07月08日 社会
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消費税増税にともなう値上げ、路上喫煙への厳しい取り締まり、さらに喫煙者に対する嫌悪の視線…。日本は喫煙者にとって、年々住みづらい環境になってきているかもしれない。

実際、日本の喫煙率はどんどん下がっており、2015年「全国たばこ喫煙者率調査」によると、成人男性の喫煙率は31.0%だ。5年前の2010年に比べて5.6ポイント、10年前の2005年に比べると14.8ポイントも減少した。

それでも厚生労働省の「最新たばこ情報」では、以下のように結論付けている。

「成人男性の喫煙率は、減少し続けていますが、諸外国に比べると、未だ高い状況にあり、約1500万人が喫煙していると推定されます」

日韓で嫌煙が進んでいるのはどっち!?

お隣・韓国も日本と同じく、成人男性の喫煙者率が下がっている。韓国保健福祉部によると、2014年の男性喫煙率は43.1%で、日本の2005~2006年頃に近い数字だ。それでも2010年の48.3%、2005年の51.6%に比べると大きく下がっていることがわかるだろう。

韓国では2015年1月1日から、タバコの価格が大幅に値上げされた。これまでは国産タバコ1箱当たり2500ウォン(約250円)だったが、昨年1月から国産・海外産問わず全商品2000ウォン(約200円)の値上げ。メビウスも4700ウォン(約470円)となり、日本よりも高くなった。

さらに韓国では、すべての飲食店が全面禁煙になっている。これまでカフェなどでは禁煙席と分離した喫煙ブースも設けていたが、それも全面廃止。しかも、2015年4月からは飲食店で喫煙して摘発されると、飲食店利用者には罰金10万ウォン(約1万円)、飲食店の事業主には170万ウォン(約17万円)の罰金も科せられるというのだから厳しい。

韓国で問題視される“女性の喫煙”

また韓国で問題になっているのは、女性喫煙者の増加だ。

1998年は6.5%だったが、2012年には7.9%に上昇している。特に最近は、20~30代の女性が増加傾向にあるという。

韓国では喫煙における男女差を研究している専門家もいるほど。中央大学校病院のキム・ソンミ教授らの研究論文によると、喫煙者のなかでもうつ病を経験する比率は、男性6.7%に対して、女性は28.4%にも上るという。

さらに自殺衝動に関しても、男性12.4%、女性35.1%と3倍近い数値だ。

ある韓国メディアは、「20~30代の女性の中でも、所得が低いほど、教育水準が低いほど、肉体労働を職業にする人ほど、本数が増える」と伝えた。

ちなみに日本の女性喫煙者率は2015年時点で9.8%。男性に比べるとほぼ横ばいに推移しており、日韓の喫煙事情は非常に似ているといえるかもしれない。

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