699件の盗撮発覚でクビになった高校教師も…不安尽きない韓国の違法撮影

2021年08月26日 社会
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今年6月、東京都内の地下鉄の駅で女子高校生のスカートの中を盗撮した男を取り押さえたとして、警視庁戸塚署が都立高校の教諭に感謝状を贈ったことがある。

日本でこのようなお手柄教師がいる一方、お隣・韓国には想像を絶する盗撮教師がいた。

7月29日、ソウル龍山(ロンサン)警察署は、女子学生寮と女子職員トイレに隠しカメラを設置して700回あまりの違法撮影をした高校教師を逮捕したことを明らかにしたのだ。

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今年4月、ソウル龍山区の高校女性職員トイレにカメラがあるという申告から、警察がCCTVなどを分析し、その学校の教師Aを捕獲。容疑者Aの自宅を家宅捜索し、携帯電話などの分析し、彼が以前に勤務した学校でも女子寮にカメラを設置し、学生を不法撮影した事実も確認した。

警察によると、このような方法でAさんは699件の違法撮影を犯して、被害者は116人にのぼる。容疑者Aは事件発覚後、解雇となった。

一方、8月17日にも同様の事件もあった。現職のソウル市議会スタッフが、ジムで運動する女性を盗撮中に警察に捕まったのだ。スタッフの携帯には、同ジムなどで盗撮した女性の写真や動画が何百件と発見された。

ちなみに、韓国警察庁によると最近10年間の違法撮影犯罪は4万7000件に達しているという。

2015年7623件ピークに達した後、政府と警察が積極的な対応に乗り出し、小幅減少しているが、それでも毎年5000件以上摘発されているのだ。

また、2019年に発生した不法撮影犯罪5762件のうち、複数の利用施設で摘発された場合は、宿泊施設・バス364件、駅・待合室654件、地下鉄626件など2039件であり、全体の60%は特定の人を対象とした犯罪という話だ。

実際、日本でも高性能カメラを搭載したスマートフォンの普及などに伴い、盗撮が容易に行えるようになり、全国的に検挙数も増加している。警察庁の統計によると、2010年の盗撮事件の検挙数は1741件で、2019年は2倍以上の3953件になった。

韓国でも携帯カメラを使った盗撮は同様に多いが、それ以上に問題となっているのが、ペン型、メガネ型、自動車キー型など特殊カメラの存在だ。

こうした特殊カメラは一般のお店で堂々と購入することが可能なのだ。韓国警察庁では、こうした特殊カメラの購入に、条件付けをすることを急いでいるが、一部では捜査機関で活用する場合や、学校暴力やストーカー犯罪の証拠を収集するための目的で使われるケースもあり、むやみに小型カメラの購入を規制することは、別の被害者を作り出すことになりかねないという懸念の声もある。

もはや、盗撮のメッカとも言える韓国だけに、そこに住む女性としても不安が多い。実際、2019年、ソウル警察庁がソウル在住の女性3892人対象に犯罪星不安度を調査した結果、不法撮影という回答が1246人(32%)で最も多かった。

多くの女性が安心したプライベートを送るためにも、こうした盗撮が減少していけばいいのだが……。

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