日本でもおなじみのスタバ、ネスレも…韓国で止まらないコーヒー製品の「値上げラッシュ」

2022年01月20日 ライフ
このエントリーをはてなブックマークに追加

韓国でコーヒー製品の値上げが止まらない。その始まりとなったのが、日本でもおなじみの米大手コーヒーチェーン、スターバックスだ。

【関連】年間で約1万5000店舗がオープンする韓国、その理由と“考えの甘さ”

スターバックス・コリアは去る1月13日からドリンク46種類の価格を値上げした。価格調整の理由について、同社は「コーヒー豆の価格高騰による原材料・副材料の負担」、「新型コロナウイルス感染症による国際物流費の上昇」のためと説明している。

このため、アメリカーノやカフェラテ、カプチーノなど23種類は400ウォン(日本円=約40円)、キャラメルマキアートなど15種類は300ウォン(約30円)、一部フラペチーノなど7種類は200ウォン(約20円)値上げし、ドルチェブラックミルクティーのみ100ウォン(約10円)の値上げとなった。

(写真提供=OSEN)韓国のスターバックス

すると、翌14日からは食品企業である東西(トンソ)食品も、スターバックスと同様の理由でコーヒー製品の出庫価格を平均7.3%値上げ。これにより、マキシムモカゴールドコーヒーミックス1.2kgは1万1310ウォン(約1130円)から1万2140ウォン(約1210円)、カヌアメリカーノ90gは1万4650ウォン(約1460円)から1万5720ウォン(約1570円)に上昇した。

そして、18日にはロッテネスレコリアもネスカフェをはじめとする全商品の出庫価格を平均8.7%引き上げ、19日にはザ・コーヒービーン&ティーリーフもティーメニュー10種類の値上げを発表した。

ちなみに、韓国でコーヒー製品の値上げがなされるのは、2014年7月以来実に約7年半ぶりのこと。加えて6月からは、プラスチックや紙でできた使い捨てカップでコーヒーを購入した消費者にドリンクの価格に保証金がプラスされる制度が、全国100カ所以上のコーヒー店、ファストフード店で施行され、さらに価格が高くなる。

「コーヒー1杯がせめてもの慰めだったのに…」

こうなると当然、不満の声も上がる。「“もうカフェ行きません…”コーヒー1杯に愚痴がこぼれる理由」と見出しを打った『韓国経済』は、国民のこんな嘆きを伝えていた。

「コーヒーも値上がりするのに使い捨てカップの保証金も払わなきゃいけないなんて。これからもうカフェに行くのは難しいでしょうね」

「スターバックスでドリンクを2杯飲むだけで1万ウォン(約1000円)を超えるうえ、保証金まで払わされるなんて費用が馬鹿にならない。カフェに行くのが負担になるから、これからは自分でコーヒーを淹れて飲むよ」

「一日中仕事してストレスが溜まったとき、コーヒー1杯をテイクアウトして飲むことがせめてもの慰めだった。でも、値上げに保証金にとお金がかかるならそれすらもやめようと思う。カフェに行くなら会社のミックスコーヒーやカプセルコーヒーを利用した方が良い」

ちなみに、スターバックス・コリアはドリンクの値上げに際し、マイボトルやタンブラー、マグカップ持参時の割引を既存の300ウォンから400ウォンに引き上げ。ポイント制度「スターバックスリワード」の会員を対象としたイベントも実施するなど、あの手この手で顧客離れを阻止しようと対策している。

とはいえ、すべてのコーヒーユーザーが常にマイカップを持参したり、カフェの会員に入ったりしているわけでもないだろう。これからはふとカフェに寄って1杯をたしなむ、なんてことも億劫になりそうだ。

(文=サーチコリアニュース編集部)

前へ

1 / 1

次へ

RELATION関連記事

デイリーランキングRANKING

世論調査Public Opinion

注目リサーチFeatured Research