年間で約1万5000店舗がオープンする驚きの韓国カフェ事情

2021年12月20日 経済 #ビジネス #お金の話
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韓国の町並みを注意深く歩いて見ると、カフェが異様に多いのがわかる。さらに、その数は今も続々と増えているのだ。

12月5日、行政安全部地方行政許可データによれば、2021年1月から11月までにかけて、韓国全土で新規オープンしたコーヒー専門店は1万4813店と集計され、コロナ禍前の2019年(1万4628店舗)より10%以上増える見通しだ。ちなみに、単純計算で、1日あたり平均44店舗のカフェがオープンしていることになる。もはや飽和状態と言える。

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さらに、特徴的なのが経営形態だ。

今年開店した新規店は、店舗面積が33㎡以下の包装・配達専門店が占める割合は29.1%に達した。2年前(19.2%)より9.9%ポイント増加した。

これは、新型コロナウイルスの感染拡大で、宅配サービスを利用する客が増えた影響も大きい。

「流行っているから」「儲かるらしいから」という軽い皮算用で参入する人が増えた結果だ。

元々、韓国は1人ひとりが年間でカフェに使う金額が、約11万8000ウォン(約1万1800円)。これは、世界で3番目に多い数字であり、その浸透ぶりから「コーヒー共和国」と称されるほどだ。

このように、カフェが乱立する時代となったが、正直供給過多な面はいなめない。同じ商圏に複数の低価格カフェがあることで、過剰な競争が起こり、収益性の悪化は問題となっている。

実際、2018年から2020年までの3年間、新規店舗が廃業に追い込まれた割合は、26.5%にも及ぶ。

それでも、新規出店が後を絶たないのは、コーヒー専門店をオープンするハードルが低いこともある。コーヒーを煎れることは、こだわりさえもたなければ、特別なテクニックも必要としないし、初期投資も抑えられるからだ。

こうした甘い考えのオーナーが増えた結果が、現状の韓国だ。

実際、韓国ネット民の間でも「我が国の勝ち馬に乗ろうとする精神。これは本当に情けない」、「これだけ多くの人がやっている以上、生半可なことでは商売にならないだろ」と、苦言を呈す人が多い。

街中でホッと一息つけるカフェは憩いの場だが、あまりにも数が多すぎると、ありがたみもなくなるものだ。この不毛なカフェ乱立時代の行き着く先はどこだろう…。

(文=サーチコリアニュース編集部)

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