Netflixで世界的なヒットを飛ばしているゾンビドラマ『今、私たちの学校は…』で、主要キャラの1人であるチョンサンの実家は、チキン屋だ。日本ではチキン屋をそれほど見る機会がないが、韓国ではかなりポピュラーな飲食業といえる。
韓国においてチキンは、もはや国民食といわれるほどに浸透している代表的な食べ物となった。
実際、韓国農林畜産食品部と韓食振興院が2021年にニューヨークとパリ、北京などの市民8500人を対象とした調査で、「外国人が最も好む韓国料理メニュー」の1位(16.1%)に輝いたのが「韓国式チキン」だった。
また韓国料理を食べたことがあるという回答者を対象に、よく食べるメニューを聞いたときにも「韓国式チキン」(30%)という答えが最も多く、「キムチ」(27.7%)や「ビビンパ」(27.2%)、「トッポッキ」(18.0%)を上回った。
韓国式チキンが世界的に知名度を高めているわけだが、チキンを韓国料理と考えている韓国人は、ほとんどいないという調査結果が出た。
2月27日、韓食振興院が去る10月18~21日、全国の満19~69歳の成人1500人を対象に、韓食消費に関するアンケート調査を行った結果を公開した。調査内容は国内消費者が好んで食べる30種類の食べ物を提示し、「これを韓国料理だと思うのか」と質問した。
その結果、回答者の63.9%は「フライドチキン」を、45.1%は「味付けチキン」を韓国料理ではないと判断した。
今回の調査で「韓国式だと思う」という質問に最も多く答えたメニューは「キムチ」(99.7%)だ。以下、「味噌チゲ」(99.3%)、「ブデチゲ」(95.3%)、「雑菜」(94.3%)、「キンバプ」(90.8%)、「サムギョプサル」(77.9%)、「ホトク」(68.9%)と続いた。
ちなみに「韓国料理ではない」という回答で多かったのは、「カレーライス」(17.3%)や「とんかつ」(18.2%)などだった。
外国人の間で最も人気のある韓国料理は「韓国式チキン」だが、韓国人の多くはチキンを韓国料理ではないと考えている。これは、様々な起源説を主張する韓国としては、意外な結果ともいえる。
韓国の繁華街を歩けば嫌でも目に入るチキン屋。そのカテゴライズはなかなか難しい。実際に配達を頼む際も「中華」「フレンチ」「日本食」などのカテゴリーに対して、「チキン」は「チキン」なのだ。
不思議なほど、韓国に浸透したチキン文化。韓国に行く際は、ぜひ食べてほしい。
(文=サーチコリアニュース編集部)
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