北朝鮮が韓国に“糞尿バルーン”を飛ばし始めてから、1週間が経過した。
去る5月29日、北朝鮮から飛来したと思われる“風船”が韓国全土で発見された。現地メディアの報道によると、風船にはビニール袋がぶら下がっており、その中には汚物やゴミ、タバコの吸い殻、紙くずが入っていたという。また、風船とビニール袋を繋ぐ紐には、一定の時間が経つことにより爆発するタイマー、起爆装置が付いていたとのことだ。
北朝鮮が“汚物テロ”を実行した理由は、韓国の対北朝鮮団体の活動だ。26日、北朝鮮側は韓国国内における対北朝鮮団体のビラ散布に対抗すると予告し、「数多くの紙くずと汚物が、まもなく韓国国境地域と中心地域に散布されるだろう」と前もって威嚇していた。
ただ、今回は規模が相当だ。6月2日時点で風船の数は約720個にも上るとされており、なかには在韓日本大使館に飛来したことで日本でも大きく報じられた。
その後、北朝鮮・国防省は2日夜、『朝鮮中央通信』を通じてゴミ散布行為を暫定中断すると発表。だが韓国も対策に乗り出した。
韓国大統領室は3日、「南北間の相互信頼が回復するまで“9・19軍事合意”全体の効力を停止する案件を、4日の国務会議に上程することを決めた」と発表。9・19軍事合意とは、南北間の緊張緩和のため、2018年に結んだものだ。
それとともに、「これまで軍事合意によって制約を受けてきた軍事境界線一帯の軍事訓練が可能になり、北朝鮮の挑発に対する私たちのより十分で即刻的な措置を可能にする」と説明した。
ただ、北朝鮮側は軍事合意を事実上破棄している状態だ。軍事合意を結んだ当時、両国が非武装地帯(DMZ)からいくつかの監視所を破壊し、兵士を撤退していたが、北朝鮮は昨年11月に約10カ所を復元しただけでなく、重火器などの武器も運び込んでいることが確認された。
一気に緊張感が高まった朝鮮半島。今後も両国の動向を注視したい。
(文=サーチコリアニュース編集部K)
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