フィリピンへ逃亡していた200億ウォン規模の横領犯や振り込め詐欺犯ら49人が、韓国に強制送還された。
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韓国警察庁は9月3日午後4時30分頃、仁川国際空港を通じて49人(男43人・女6人)を同時に強制送還したと発表した。これは単一国家で同時に行われた送還としては最大規模で、警察は専用機まで投入したという。
今回送還された49人の容疑をみると、詐欺犯が25人、サイバー犯罪が17人、凶悪犯が3人、さらに横領・外国為替取引法違反・租税犯処罰法違反・性暴力処罰法違反がそれぞれ1人ずつとなっている。これらの犯罪による被害者は1322人に上り、韓国の捜査機関が出した手配は154件に及ぶ。
逃亡期間の平均は3年6カ月。なかには中堅企業の元代表A氏のように、200億ウォン(約20億円)規模の会社資金横領事件を起こし、2009年にフィリピンへ逃亡してから16年間も潜伏生活を続けていた人物もいる。このほか、フィリピンで韓国人観光客を手斧で脅して現金1000万ウォン(約100万円)を奪った2人組の強盗、2018年から総額5兆3000億ウォン(約5300億円)規模のオンライン違法賭博サイトを運営していた組織のメンバー11人、26億ウォン(約2億6000万円)規模の詐欺容疑者、17億ウォン(約1億7000万円)規模の振り込め詐欺に加担した者なども含まれている。
今回の送還にあたり、仁川空港には警察官や警察病院の医療スタッフなど約130人が動員された。さらに対テロ機動隊など100人余りの警備要員が配置され、対象者が入国後に護送車に乗せられるまでの全過程を監視した。
警察は今回の作戦に向け、約4カ月にわたって外交部、国土交通部、仁川空港警察団など10以上の国内機関と協力してきた。また、フィリピンには担当者を派遣し、入国管理庁長官と直接面会して協力の意思を確認するなど、現地当局との継続的な協議を通じて協力を取り付けることに成功した。
(記事提供=時事ジャーナル)
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