韓国では来年度最低賃金審議のための最低賃金委員会3次会議が6月8日に開かれた。最低賃金の告知期限は8月5日までであり、最低でも6月29日までに合意に至らなければならないが、平穏に合意を迎えるのは難しそうだ。
実際、1988年以降、この期限が守られたのは過去8回しかない。
なお、労働者サイドは去る4月に行なわれた来年度最低賃金要求額で、2023年の時給9620ウォン(日本円=約960円)より24.7%増加した時給1万2000ウォン(約1200円)を要求している。
こうした大幅アップを要求する理由には大幅な物価上昇がある。いくら給料が上がろうとも支出がそれを上回っているという主張だ。
一方、経営サイドは最低賃金凍結を望んでいる。
国際的な景気低迷により、今年の韓国経済成長率が1.4%(韓国銀行展望値)にとどまると予想されるだけに、これ以上最低賃金を上げてしまえば、基本体力のない中小企業の多くが業績不振を迎えるというのだ。
実際、中小企業618社にアンケート調査を行なった結果、68.6%は来年度に最低賃金が上がる場合、雇用を減らす意向を見せている。
こうした状況に、韓国国内では「物価の上昇率を見たら、引き上げが適切だが…」「給料が上がったところで、物価がまた上がるから意味がない」「物価は上がっているのに、最低賃金は凍結しろ?何を血迷ったことを言っているんだ」など、怨嗟の声が多く飛び交っていた。
あちら立てればこちらが立たぬというが、両者が完全に納得する結末は難しそうだ。
(文=サーチコリアニュース編集部)