というのも、若者の「済州島離れ」が加速しているというのだ。
6月14日、韓国銀行済州本部が発表した「最近済州地域青年人口純流出要因及び示唆点」によると、2010年から続いてきた人口純流入の流れが崩れ、青年層の離脱が加速しているという。
済州島はかつて移住ブームが加速し、2016年に転入人口が10万6825人に急増して歴代最高記録を立てた。
しかし、各種開発の余波による物価高騰や住宅価格上昇など、定住条件の悪化によって昨年は転入人口が8万6865人まで下落。なかでも、2013~2017年には4077人に達した満19歳~39歳の青年層の流入人口が、2018~2022年には765人にまで急落した。
その減少幅は実に81.2%で、ほかの年齢層(55.6%)を圧倒。2023年も現時点で653人が流出するなど、下落傾向が続いている。
韓国銀行は人口流出の原因として、低賃金などの劣弱な勤労環境のほか、高い生活物価、住宅費用負担などが影響を及ぼしたと分析した。
青年人口の流出が増えれば、当然、生産可能人口も減少する。ひいては、済州島全体の経済に悪影響を与えることになるだろう。
こうした済州島のピンチに、韓国国内では「結局、若者はソウルに集まる」「観光客も減っていくだろうな。済州島に行くなら日本に行くわ」「たまにバカンスで行くにはいいけど、住むのはどうだろう」「済州島は一度、大々的な改革が必要だ」など、多くの意見が挙がっていた。
「東洋のハワイ」はいま、最大のピンチを迎えている。どうにか若者たちの気持ちを掴み直さなければならない。
(文=サーチコリアニュース編集部)