新1万円札は「祝儀に不適切」という日本の“新マナー”に、お隣・韓国からも注目が集まっている。
議論になっている“新マナー”とは、新1万円札の主人公である渋沢栄一は「近代日本経済の父」だが、女性関係で何かと問題があった人物であるため、そんな人物の肖像が入ったお札は結婚式などの祝儀には適さないということで、使わないのがマナーという話だ。
この日本の“新マナー”について、「『汚い金はどけてくれ』…この紙幣で祝儀を出すと“痛い目に遭う”」(『韓国経済』)や「『汚れたお金は受け取りたくない』…祝儀を出すと“迷惑”になる新札」(『アジア経済』)といった見出しを打って、韓国メディアが紹介している。
韓国メディアは「渋沢栄一は本妻と愛人を同じ家で同居させ、不倫を行い、さらに家で働いていた女中にも手を出したことが知られている。これにより、新しい1万円札が他人の不倫を連想させるという理由から、新1万円札は祝儀にふさわしくないという声が出始めている」と説明した。
今回の“新マナー”の議論は、半分冗談のような話だが、渋沢栄一が新1万円札の顔になると明らかになったとき、韓国では大きな批判の声が上がったことをご存じだろうか。
韓国において渋沢栄一は「韓国経済侵略の主犯」と見なされているためだ。
当時、『中央日報』は「渋沢栄一は、朝鮮半島に鉄道を敷設し、日帝強占期に京城(キョンソン)電気(韓国電力の前身)の社長を務めるなど、“経済侵略”の先頭に立った人物として批判されてきた。大韓帝国時代には、利権を奪うために朝鮮半島で最初の近代的な紙幣発行を主導し、自ら紙幣の主人公として登場し、韓国に屈辱を与えた人物でもある」と書いた。
また、韓国の独立運動家やその遺族らで構成された「光復会」のイ・ジョンチャン委員長は「紙幣に描かれる人物は、その国の文化水準を示すものである。過去の過ちを反省するのではなく、帝国主義の残虐行為を思い起こさせる人物を使用することに対し、日本政府の意図は何なのか」と問いかけ、「もし日本が本当に関係改善を図り、我々と友好を促進しようとするならば、この問題のある人物を排除するべきだ」と強く求めたりした。
日本では「不倫男」、韓国では「侵略者」とまったく別の角度から批判を浴びる渋沢栄一。新紙幣の発行から3カ月が過ぎたが、今も話題になっていることだけは間違いないようだ。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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