「犬食用終息法」の施行を前に、韓国肉犬協会などの農場主たちが街頭に繰り出した。
彼らは「不当な額の金額では廃業できない」とし、政府の廃業支援金に異議を唱えた。犬食用終息委員会の委員長を務める農林畜産食品部のパク・ボムス次官に対して、警察に告発する意向も示している。
10月8日、韓国肉犬協会と全国肉犬商人会などに所属する約200人がソウル龍山(ヨンサン)区の大統領室近くで集会を開き、このように述べた。
彼らは「子犬を抱えるのではなく、国民を抱え、生存権を保障しろ」「私たちが違法なら受け取った税金をすべて返せ」「正当な補償を」と書かれたプラカードを掲げ、スローガンを叫んだ。また、「政府は最低でもあと20年は続けられる事業を強制的に廃業させながら、正当な補償も行おうとしていない」と批判した。一部の参加者は、政府の支援策に抗議する意味で髪を剃る姿も見られた。
今年2月に制定された「犬の食用目的の飼育・屠殺および流通の終息に関する特別法(犬食用終息法)」に基づき、韓国では2027年2月7日からは犬の食用目的の飼育・屠殺・流通・販売がすべて禁止されることとなっている。政府は、犬肉用の飼育農場を廃業させるため、農場主に1頭当たり22万5000ウォン(約2万4000円)から60万ウォン(約6万5000円)を支給する計画を発表した。
これに対して、全国肉犬商人会のイム・フンシク顧問は「政府は肉犬業者に多額の支援や補償を行うかのように宣伝しているが、内容を見ると、手元に残るものは何もない、見かけだけの補償案だ」と批判。「大部分が60~70代の高齢者で、転職がほぼ不可能な肉犬業の従事者たちにとって、これは重大な生計の脅威となる」と伝えた。
さらにイム顧問は「特に流通業者や屠殺業者などの商人には、これまで違法だったため、生計対策や補償がまったくないという。しかし違法であったものを今まで黙認し、事業者登録証を発行し、税金を徴収してきたのはなぜか。辻褄が合わない」と主張した。
全国肉犬商人会のイ・グィジェ会長は「政府は正確なガイドラインも提示せず、右往左往している」とし、「営業補償2年分、最低生計費3年分の補償が実現するまで闘い続ける」と語った。
彼らは、肉食用終息委員会の委員長であるパク次官を警察に告発する意向も示している。犬飼育農場主の職業選択の自由や生存権など、憲法上の権利が侵害されたという理由からだ。
韓国肉犬協会のチュ・ヨンボン会長は「資本主義国家で自身の財産を投資して事業したことが罪になるのか」とし、「1ウォンも支援してくれない政府と国会で、なぜ私たちの職業をはく奪し、財産権を強奪していくのか」と指摘した。
なお、韓国国内の犬食用関連業者は計5898カ所と集計されており、食用で飼育されている犬は約46万6000頭に達すると把握されている。
(記事提供=時事ジャーナル)
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