韓国政府が少子化などの人口問題を克服するため、「人口戦略企画部」の設立準備に拍車をかけている。
韓国の「部」は日本の「省」に相当する。
人口戦略企画部設立推進団は11月7日午後、政府ソウル庁舎で第1回人口戦略企画部設立準備に関する関係部処会議を開催した。
この会議には企画財政部、保健福祉部、教育部など、人口政策に関連する約10の政府部処が参加した。
日本では今年1年間の出生数が初めて70万人を割る可能性が示され、少子化が加速していることへの危惧が絶えないが、韓国は日本以上の“超少子化国”だ。2023年の合計特殊出生率を見ると、日本が1.20に対し、韓国は0.72と大幅に低い。
日本以上に少子化対策が喫緊の課題なのだ。
それでも新型コロナの影響で遅れていた結婚が2022年8月から2023年上半期に集中し、最近は出生数が前年比で微増している。今年8月の出生数は2万98人となっており、前年比で5.9%増加した。7月に続いて、2カ月連続の増加だ。
この流れは今年下半期にも続くと見られており、新たな転換点を迎える可能性が出てきたことを受け、人口戦略企画部の設立を急ごうとしている。
この日、設立推進団は少子化予算の事前審議など新制度の導入案と、人口戦略企画部の組織構成、定員設計案について集中的に議論した。少子化予算事前審議制とは、現在各部処に分散している少子化関連の予算を、今後発足する人口戦略企画部が統合的に調整および審査する制度のことだ。
新たに設立を目指す人口戦略企画部には、今後、少子化・高齢化など人口構造に関する政策を統括するコントロールタワーとして、部処間の協力を促進し、調整する役割を果たすことが期待されている。
また、人口戦略企画部は人口の中長期戦略の策定、少子化事業の効率的な資源配分、人口政策の評価・管理、文化認識の改善などの役割も担う予定だ。
設立推進団の団長であるキム・ジョンムン国務調整室国務第1次官は、「今年8月、出生数と婚姻件数の増加という好兆が見えたが、これを少子化の流れの転換として定着させるためには、人口戦略企画部の新設が何よりも必要だ」と述べた。
続けて「国会で関連法案が通過した後、施行が開始されれば、人口戦略企画部が人口政策のコントロールタワーとしての役割を適時に果たせるよう、必要な準備を遅れなく進め、関連部処と綿密に協議していく計画」と説明した。
少子化問題では日本以上に時間が残されていない韓国で、新たな国家行政機関が計画通りに設立され、期待された役割を果たせるか注目される。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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