日本はすでに20年前からそうだが…韓国経済、15年後には「潜在成長率0%台に」波紋広がる

2024年12月20日 経済
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抜本的な構造的問題を解決しなければ、15年後の韓国経済の潜在成長率は0%台になる――。そんな報告書が発表され、波紋を呼んでいる。

【注目】1人当たりのGDP、韓国が日本を上回り差を広げる

韓国銀行が12月19日に発表した報告書「韓国経済の潜在成長率と今後の展望」だ。

潜在国内総生産(GDP)は、一国の労働力、資本、資源などすべての生産要素を動員しながらも物価上昇を引き起こさずに達成可能な最大の経済規模を意味する。潜在GDPの増加率が潜在成長率だ。

報告書によると、韓国経済の2024~2026年の潜在成長率は2%水準と推定された。

韓国は2000年代初頭、潜在成長率が約5%だった。それが2010年代に入って3%台前半に低下し、2016~2020年には2%台半ばまで落ち込んだ。韓国銀行は構造的な変化がない限り、現状の傾向が続き、今後も潜在成長率は持続的に低下すると見込んでいる。

報告書では、2029年までの5年間の平均潜在成長率は1.8%と推定され、2%を下回るとされた。さらに、2030~2034年には平均1.3%、2035~2039年には1.1%まで低下し、約15年後の2040年代には平均0.6%まで落ち込むと予測された。

韓国銀行は潜在成長率の低下要因について、「韓国経済の革新不足、資源配分の非効率性などにより総要素生産性の寄与度が低下しているなか、人口構造の変化や経済の成熟期入りに伴う投資の減少などで、労働および資本投入の寄与度まで減少したため」と説明した。

日本は0%台の“大先輩”

韓国ソウル
(写真=サーチコリアニュース)

潜在成長率0%台といえば、日本を連想させる。

内閣府が出した「中長期の経済財政に関する試算」(2024年7月)によると、日本の潜在成長率は1980年代に4.2%だったが、1990年代に1.6%となり、2000年代に入ってからは1%以下で推移している。

この資料では2001~2010年が0.6%、2011~2020年が0.6%、2021~2023年が0.5%と示されている。

長らく0%台が続いているということだが、「少子高齢化の影響により、生産年齢人口の減少が加速していくなかで、経済構造の変化やこれまで以上の生産性上昇がなければ、経済成長は低下していくことが見込まれる」と説明された。

韓国銀行の見解と同じような内容だ。つまるところ潜在成長率の低下の要因は、少子高齢化の影響が大きいということになる。

ただ両国ともに出生率の改善は厳しい状況にある。日本の出生率は1.20(2023年)で、韓国にいたっては0.72だ。今回発表された韓国銀行の展望は、さらに前倒しされる可能性すらあるといえるだろう。

そのためオンライン上には、「少子化?結局、自分さえ良ければそれで終わりの人たちばかり」「解決は無理だ。不動産がすべての国だから」「雇用が硬直した状態でどうやって生産性を期待するのか」「テレビでは結婚して幸せに暮らしている内容をいつも放送し、一人暮らしや同性愛を扱う内容は放送禁止にすべきだ」といった悲観的な反応が寄せられた。

15年後、日本と同じように潜在成長率が0%台に突入するとされた韓国。日本以上の超少子化の国で、労働市場の柔軟化や出生率の改善といった「構造的な変化」は起こるのだろうか。

(文=サーチコリアニュース編集部O)

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