日本のウイスキーや日本酒が韓国で人気を博している。
韓国関税庁の輸出入貿易統計システムによると、2024年1月から11月までの日本酒の輸入額は2426万ドル(約37億8000万円)を記録した。
これは、2023年に記録した過去最高輸入額(2475万ドル=38億5000万円)に、11月時点で肉薄する金額だ。
韓国では12月が日本酒の“繁忙期”とされており、それを踏まえると日本酒の年間輸入額は、2023年に続いて2年連続で過去最高を更新すると見られる。
より良い日本酒を求める人も増えているようで、日本酒の平均輸入価格も上昇。2023年は日本酒1トン当たりの平均輸入価格が4570ドル(約71万1000円)だったが、2024年は1トン当たり4672ドル(約72万7000円)と増加した。
日本酒だけでなく、日本のウイスキーも好調だ。
韓国における日本ウイスキーの輸入額は、2018年に105万ドル(約1億6000万円)を記録し初めて100万ドルを超えたが、それから7年で急増し、2024年11月時点で883万ドル(約13億7000万円)に達した。
2024年11月時点の輸入額が、すでに2023年の年間輸入額(798万ドル=約12億4000万円)を上回っており、残る12月分を含めると1000万ドル近い輸入額が見込まれる。
これは韓国で輸入アルコール飲料全体の需要が高まっている影響ではない。
実際、韓国貿易協会(KITA)によると、2024年1月から10月のワインの輸入額は3億8581万ドル(約600億6000万円)で、前年同期間(4億2681万ドル=約664億円)に比べて10%減少している。
輸入ビールも同じ状況で、関税庁によると、昨年1月から10月のビールの輸入額は1億7549万ドル(約273億円)にとどまった。前年同期間(1億8716万ドル=約291億1000万円)に比べ、6.2%減少した数字だ。
日本酒や日本ウイスキーだけが好調ということになる。
その要因は、品質の高さや円安の影響など様々だが、日本を訪れる韓国人が増加していることが大きいと見られている。
韓国メディア『朝鮮Biz』は、酒類業界関係者の言葉として「日本を直接訪れる旅行者が増加し、日本への抵抗感が薄れるなかで、日本酒に対する認識も不買運動時よりはるかに良くなった」と紹介した。
日本政府観光局によると、2024年に日本を訪れた韓国人観光客は882万人に上った。前年比26.7%増で、2位の中国(698万人)を大きく上回る断トツの数字だ。つまり、日本旅行を楽しんだ韓国人が日本で美味しい酒類を経験し、自国に帰ってからも求めているというわけだ。
韓国では輸入ビールが前年比減と前述したが、日本ビールだけは10月時点で5604万4000ドル(約87億円)となっており、前年同期比で33.1%も増加していることは象徴的な例だろう。
今後も韓国で日本のアルコール飲料が“ひとり勝ち”を続けていくのか、注目される。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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