婚約者に「母には中立的に、反対しないで」と頼まれた人まで…韓国で“尹大統領への認識”が家族間対立の火種に

2025年01月29日 政治 #時事ジャーナル
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「不正選挙について明らかにしようとする戒厳令は愛国だろう、なぜ違法なのか」

【注目】「韓国が共産化する」尹大統領を支持する保守派の市民たち

旧正月(旧暦1月1日)の連休に実家を訪れたチョン・ミンギさん(36)は、夕食中に父親にそういわれて、力が抜けたという。

チョンさんが父親に「非常戒厳」の違法性について説明して反論すると、父親は保守派の強硬な傾向を持つユーチューバーが投稿した動画を、家族のカカオトークのグループチャットに共有した。

その動画では、ユーチューバーが「不正選挙は真実」と主張し、「尹錫悦(ユン・ソンニョル)は無罪だ」と述べていた。怒りを感じたチョンさんは、実家で2泊3日休む予定を取りやめ、その日の夜に帰宅した。

家族間の対立の火種に

旧正月の食卓で「非常戒厳」が主要な話題となり、家族間で対立する例が少なくない。尹錫悦大統領の逮捕・拘束をめぐり、親世代と子世代が相反する認識を示しているためだ。

特に、極右陣営で共有されていた「不正選挙説」が尹大統領の弾劾裁判をきっかけに政治的な主要テーマとして浮上し、これが家族間の対立の火種となっているようだ。

尹錫悦大統領
(写真=写真共同取材団)尹錫悦大統領

旧正月の期間中に結婚前の顔合わせを予定していたハン・ソジョンさん(仮名・34)は、彼氏から義母となる人の「政治的傾向」を共有されたという。

彼氏はハンさんに「母が最近、尹大統領弾劾反対の集会にずっと参加している。もし関連する質問を受けたら、できるだけ中立的な立場で答えるか、(弾劾に)賛成しているとは言わないでほしい」と懇願した。

ハンさんは「家族が集まって楽しい話だけでも時間が足りないくらいなのに、政治を心配しなければならないのがただただ苦しい」と吐露した。

このような事例は少数の話ではない。旧正月の連休を迎え、政治的な認識の違いによる家族間のトラブルを懸念し、訴える声がオンラインコミュニティを中心にしばしば見られる。

1月27日、とある総合編成チャンネルのYouTube動画で「“旧正月の禁句”第1位は政治の話題」と報じたニュースのコメント欄には、「他人事ではない」「両親と激しく喧嘩した」などのコメントが多く投稿された。

同時に、「啓蒙しなければならないので(政治の話題を)話すべきだ」「当然(政治の話題を)話さなければならない」というコメントも多数の共感を得ており、認識の違いが大きいことがうかがえる。

実際、内乱罪の被疑者で拘束・起訴された尹錫悦大統領に対する見方は、年齢層や地域によって大きな差がある。

『時事ジャーナル』が世論調査専門機関「JOWON C&I」に依頼し、1月18~19日の2日間、全国18歳以上の男女1006人を対象に「尹錫悦大統領の支持率」を尋ねた結果、「支持する」と答えた人は42.7%、「支持しない」と答えた人は54.4%だった。

地域別に見ると、釜山・蔚山・慶南(支持52.7%)を除く全地域で「支持しない」と答えた割合が高かった。

年齢別の調査では、30代(支持50.0%)と70歳以上(支持51.9%)を除き、「支持しない」割合が上回った。18~29歳の「支持」の割合は39.6%、40代は33.3%、50代は36.4%だった。

旧正月の食卓の話題として「政治」が挙げられたことで、政治界は連休後に発表される世論調査の行方に注目している。

最近、保守的な有権者の結集が強まっているなか、来週発表される与野党の支持率や尹大統領の支持率の動向によって、与野党指導部のメッセージも変化するものとみられる。

(記事提供=時事ジャーナル)

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